3月、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で日本が世界の頂点に立ち、日本全国が侍ジャパンの優勝に沸いた。その日からもうすぐ3週間。この記事を書いている4月7日現在においても、相変わらず日本のメディアでは、WBC関連や侍ジャパンとしての大谷翔平選手の活躍の記事がちらほらある。

もちろん14年ぶりの優勝国として、その栄光をずっと誇示したいのはわからないでもない。

一方で野球大国&メジャーリーグの本拠地アメリカのメディアはというと、チームUSAが世界の強豪相手に勝ち進み、フロリダの地で行われた決勝戦で準優勝になったことも翌日の主要紙のトップニュースを飾ることはなかった。

前日の大事なニュースをピックアップして報じるメディアでも、優勝を逃したこともあるかもしれないが、主要トピックになることはなく、報道の片隅に置かれた。WBC関連ニュースは翌々日から皆無だ。

このような両極端とも言える双方の国のメディアの動きを見て感じたことがある。それはタイトル通り「切り替えが早いアメリカ人、切り替えが苦手な日本人」である。

マスク姿が象徴する「切り替えが苦手な日本人」

「切り替えが早いアメリカ人、切り替えが苦手な日本人」に関しては、コロナ禍でも如実に表れた。

日本のメディアではいまだ、「昨日の感染者は~名でした」という報道がなされている。これを見るたびにそのような報道がもはやないアメリカ在住者として驚く。時は2023年である。日本のメディアは一体いつまでこのような報道をするのだろうか? 
 「切り替えが苦手な日本人」は、日本で定着したマスク姿とも通ずる。

アメリカでは22年4月、空港や航空機内でのマスク着用義務が解除されて以降、脱マスクが一気に進んだ。脱マスク化はアメリカのみではない。22年にワールドカップが開催された中東カタールの地でも、優勝パレードが行われた南米アルゼンチンでも、毎日戦況が伝えられる東欧ウクライナやロシアでも、年金改革反対デモが激化する西欧フランスでも、マスク姿の人は皆無である。

一方日本では今年3月13日以降、マスクの着用は個人の判断が基本となった。しかしあれから1ヵ月が経とうとするのに、未だ多くの人がマスク生活を抜け出していない(花粉の時期というのもあるかもしれないが、報道を見る限り花粉防止の理由だけではなさそうだ)。

パンデミックから3年が過ぎても未だ「屋外で9割の人がマスクを着けている」光景を海の向こう側から目にするたびに、非常に奇異に感じてしまう。このような新型コロナに関連したいくつかの現象も「切り替えが苦手な日本人」を象徴しているのではないだろうか。花粉の季節が終わった後の人々の動向に注視したい。

アメリカ人は後ろを振り向かない

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