https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01537/00634/

日本自動車工業会(自工会)会長の豊田章男氏

ここ10年以上、日本の自動車産業は、全産業の平均を上回る2.2%の賃上げを続けてきた。
雇用を維持しただけでなく、新型コロナウイルス禍の2年間で22万人の雇用を増やした。
平均年収を500万円と仮定すると、1兆1000億円を家計に回した計算になる。
「しかし日本では、私たちに対する『ありがとう』の声はほとんど聞こえてこない」と豊田氏は嘆いた。

 今日よりも明日を良くするために懸命に働く。
その結果、成長し、分配して中間層を増やすことで(日本は)豊かになってきた。
豊田氏は、「日本はこの強みを忘れたのではないか。忘れたのなら、思い出せばよいと考えている」と強調した。
一方、カーボンニュートラル(炭素中立)など日本が直面する課題には、オールジャパンで取り組む必要がある。
「その際には共感が重要になる」と豊田氏は指摘した。そのうえで、
「今年、日本から共感を生み出すチャンスが二つある。一つは5月に広島市で開かれるG7サミット(主要7カ国首脳会議)、
もう一つは10月に開催するJAPAN MOBILITY SHOW(ジャパンモビリティショー)」とした。