この、使いものにならなくなった自動車という意味は、エッセイやテレビ番組で活躍する阿川佐和子さんの父である、作家・阿川弘之の新聞小説、その名もずばりの『ぽんこつ』(1959〜60年)から広まったといわれています。

この小説の中に、こんな一節があります。

「ぽん、こつん。ぽん、こつん。ぽんこつ屋はタガネとハンマーで、日がな一日古自動車を叩きこわしている」(まけとし)

つまり、「ポンコツ」は「ぽん、こつん」と古自動車の車体をたたくことから生まれた語だというのです。

阿川弘之は乗り物好きで知られていて、絵本『きかんしゃやえもん』の作者だと言えば、ご存じの方も大勢いらっしゃるでしょう。