「ぼうぜんとし、憤慨し、深く悲しんでいる」。バイデン米大統領が安倍晋三元首相の横死を悼む声明を公表したのは米東部時間8日の午前9時になる直前だった。安倍氏死去の一報が世界を駆け巡ってから約4時間が過ぎ、トランプ前大統領による弔意発表からもすでに2時間余りがたっていた。

「2時間遅れ」の現実は、バイデン政権の物事への感度の鈍さを物語る。むろん、時差の問題はあるが、オバマ元大統領でさえバイデン氏よりも前に声明を発表していた。世界から哀悼の声が届くなか、現職の米大統領のことばを欠く状態が続いた。