文章を評価してくれや


 銃弾をかわすのは、案外簡単だったりする。
 銃口の向きから射線を予測し、撃ち手の予備動作から発砲の瞬間を予測し、今だ! と思ったタイミングで体を動かせばいい。
 別に超人的な移動速度は必要ない。
 時速100kmで走れなくても、時速100kmの球を打ち飛ばすことはできる。それと同じだ。あ
 冷静さと機敏さが揃えば実現できる技術である。
 男もそれを、理屈としては理解していた。
「しかし、ここまでとは……」
 思わなかった、と嘆息した。  
 中央管理室。幾つもの監視モニタが映すのは殆ど砂嵐のみだったが、一つだけ生きているものがあった。
 そこに映る光景。  
 二十人超の屈強な男が銃器を持って暴れ回り、一人また一人と倒れていく場景。
 銃弾飛び交う大部屋で、一人の女が長い銀髪を振り乱し、拳銃を手に踊る風景。
「……映画じみてますね、社長」
 椅子に座った男──────社長の傍ら、黒服が震える声で呟いた。