ズタ袋から布を取り出すと
エカティナは怒ったように、少女の涙を拭った

「〈名前〉〈心〉〈体〉、今呼ばれた3つの魂よ……私はこの布を手向けに置いておこう……あの世で繋がるまで……身の依代になりますように」

彼女は暫くの間、声も出さず震えていた。
口を開けば冷静さを欠くような強い怒りを内側に留めておく為だろう。
13人の沈黙が場に重くのしかかる中、
その固く閉じた口を切るように開いた。

「魔法軍はまだか?」
「いいえ。まだ連絡は……」

エカティナはゆっくりと顔を上げる。

「ミハイ、銃を。あのバケモノは私が殺す」

もう何も言うまい、
TOZ-8。狩猟式の単射式ライフルを、エカティナはミハイから受け取った。