ワイが添削してあげたで

異形と化した少女。
命の失われた頬を、透明な涙が伝っている。
エカティナはズタ袋から布を取り出し、少女の涙を拭った。

「〈名前〉〈心〉〈体〉、今呼ばれた3つの魂よ……私はこの布を手向けに置いておこう……あの世で繋がるまで……身の依代になりますように」

重い沈黙が場に満ちる。
エカティナは少女の骸を見下ろし、しばらくの間声も出さず震えていた。
そうするしかなかった。
口を開けば、皆にみっともなく激情を撒き散らすことはわかりきっていたからだ。
だが、いつまでもそうしてはいられない。
胸に渦巻く憤懣を、エカティナは無理やり抑え込む。

「魔法軍はまだか?」
「いいえ。まだ連絡は……」

エカティナはゆっくりと顔を上げ――誓うように宣言する。

「ミハイ、銃を。あのバケモノは私が殺す」

TOZ-8――狩猟式の単射式ライフル。
手にしたとき、すでにエカティナの震えは収まっていた。