【小説ss】志々雄真実の異世界国盗り
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「.......はっ!?」
佐渡島方治は突如として目を覚ました。
「こ、ここはいったい.....志々雄様.....志々雄様はどこに...!?」
前後の記憶があやふやだった。ただとてつもなく興奮していたことだけは覚えている。
なぜか?
彼は徐々に思い出す。
「そうだ.....私は死んだのだ....」
が、そこで終わりではない。
「志々雄様....そうだ....私は確かにあの時尋常じゃないほど興奮した!! 地獄で会った志々雄様の言葉に、『閻魔相手に地獄の国盗り』をするというあの方のお言葉に!!」 そこまで思い出した途端、彼は興奮を抑えきれず、ガバッと上半身を起こした。どうやら仰向けに寝かせられていたようだ。ご丁寧に布団まで被さっている。.....とても綺麗とは言えない垢まみれの代物ではあるが。
「....ようやく起きたか、方治」
「そ、その声は!?」
一瞬幻聴を疑った。が、声のする方へと首を曲げると、それが幻聴でなかったことに気づく。
その次には「これは夢か」と疑った。が、その疑いはすぐに晴れる。なんせ彼――方治は今の今まで寝ていたのだ。寝て覚めたらまた夢だった、などという道理などあるはずがない。
つまり、これは現実。
目の前にいたのは、かつて負った大やけどのために身体中に包帯を巻いている一人の男。包帯の中から垣間見えるその目からは抑えきれないほどの並々ならぬ覇気が漏れ出ている。
間違いなかった。
その男こそが、佐渡島方治が忠誠を誓ったあのお方。
幕末を生き残り、明治の時代になってまで自身の野望を貫いた男。
そう、『志々雄真実』、その人物に違いなかった!! ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています