長崎市の平和公園にある原爆無縁死没者追悼祈念堂の焼香台で焼き肉をしたとして、長崎県警浦上署は29日、同市浜平1丁目、職業不詳の男(52)を礼拝所不敬容疑で逮捕し、発表した。

浦上署によると、男は27日午前8時ごろから翌28日午前8時ごろまでの間に、祈念堂に設置された焼香台で肉を焼くなどして、礼拝所(祈念堂)に対して公然と不敬な行為をした疑いがある。

 28日朝に、祈念堂の焼香台の下にあるステンレス製の板の上で焼き肉をしたような跡が見つかったとの市職員からの通報を受け、浦上署は平和公園周辺の防犯カメラなどを捜査。同日午後、公園近くにいた男に任意同行を求め、29日午前0時50分ごろ逮捕した。動機などについて調べている。

 田上富久市長は29日、「今回の事案は、亡くなられた被爆者への慰霊の気持ちと平和を願う市民の思いを踏みにじるもの」とのコメントを出し、対策を強化する考えを示した。

 市によると、祈念堂には身元不明者や引き取り手のない原爆死没者の遺骨8964柱を安置している。焼香のため24時間だれでも出入りでき、焼香用のライターが常備されている。
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