パラグアイ戦争


19世紀半ば、パラグアイは南米で最も近代化された工業国であり、南米最強の軍事力を有していた。
イギリスが押し付ける自由貿易の下で南米の大半の国はイギリスに経済的に従属していたが、唯一パラグアイは独立した経済体制を構築していた。
19世紀末、パラグアイとブラジル間で戦争が起こると、イギリスは即座にブラジル・アルゼンチン・ウルグアイの三国をまとめあげ、借款の提供などで対パラグアイ戦争を支援した。
なお、パラグアイがこの戦争を離脱することのないよう、イギリスは敵側のパラグアイにも莫大な借款を提供した。
戦争の結果、パラグアイは完敗し、人口の半分が消滅した。
そして戦後、復興費用の名目でイギリスから莫大な借款を押し付けられることになった。(当然戦時中の膨大な借款の返済義務も残った)
また、ブラジルとアルゼンチンにも戦中の借款が重くのしかかり、返済猶予を引き換えに政治・経済的従属を迫られた。

こうして19世紀までに、イギリスは自ら少しも手を下すことなくパラグアイを下し、南米を完全に従属下に置くことに成功した。