https://news.yahoo.co.jp/byline/tooyamayusuke/20220327-00288459

2021年度のタイトル戦は全34局。その全てが相居飛車の戦いだった。

 内訳は以下の通りである。

相掛かり戦法 16局

角換わり戦法 10局

矢倉戦法   7局

その他    1局

 相掛かりがトップに立った理由として、タイトル戦に多く出た藤井竜王が先手番において多用したことがあげられる。

 4つのタイトル戦において、先手番で相掛かりを6局指して5勝1敗という好成績をおさめ、3つのタイトル奪取に貢献した。

 角換わりも引き続き指されている。

 ただ、以前のように互いに二段金&一段飛車に構える格好ばかりではなく、早繰り銀のような急戦策も目立っている。

 藤井竜王と豊島将之九段(31)の3つのタイトル戦では、角換わり相早繰り銀と呼ばれる形が何度も出現した。

 矢倉は7局あるが、昔のようながっぷり四つの相矢倉に進んだ対局は1局しかなかった。7局全て渡辺明名人(37)が登場したタイトル戦で出現しているところに大きな特徴がある。

 「その他」とあるのは雁木戦法に進んだ対局だった。このことは後述する。

 横歩取りは1局もナシ。後手が苦しいと言われて久しいが、タイトル戦で1局も登場しないところにもそれが現れている。

 そして振り飛車に進んだ対局もなかった。アマチュアには振り飛車党の方が多いため、寂しいデータといえよう。