角巻わための幸せの手袋 1話
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
貴彦「さむっ!!毎日深夜から新聞配るの辛いわ!!」自転車ガシャガシャ
貴彦「でもお袋の手術代のためだ!!頑張ろう!!」自転車ガシャガシャ
?「待って下さい!」
貴彦「え?」きぃ
わため「あの、いつも新聞配達ごくろうさまです!」ぺこり
貴彦「ども、たしか、この大きいマンションの方でしたよね?」ぺこ
わため「はい、あの、わためぇ、一生懸命自転車漕いでるあなたの姿に感動しちゃって、プレゼントあげたいと思って、その、よかったらこれ」すっ
貴彦「手袋ですか?すごい、手編みですかこれ?」
わため「つけてみてくれますか?」
貴彦「温かい……本当にありがとうございます!」 わため「良かったーw……くちゅん!!寒いですねw、では、わためぇはそろそろ家に戻りますw」
貴彦「あれ?たしか、前はきれいなふわふわの長い髪でしたよね?」
わため「ぎく」
貴彦「イメチェンですか?」
わため「わわわわためぇ寒いので帰りましゅ」すたすたすたすた
貴彦「??……よし!残りの配達頑張ろう!!」自転車ガシャガシャ ~その夜、角巻わため、雑談配信~
わため「こんばんわw」
わため「そうなのwわためぇ思い切ってショートカットにしてみましたw」
わため「失恋?ちがうよーwなんていうかw必要だったから?wみたいなw」
わため「えw言っちゃおうかなーwわためぇ、ポルノグラフィティと同じくらいファンになった人がいてねーw新聞配達してる、多分高校生かなーwうんw男の子なんだけどw自転車乗ってる姿が一生懸命でかっこよくてwでも雪降ってるのに手袋してないのwでねwわためぇがあげようっておもってねwどうせならわためぇの髪の毛つかって編んだらあたたかそうって思ったのwあはははwうんw気持ち悪いよねぇwでもそれ言わずに渡しちゃったwあはははははw大事にしてくれると嬉しいw」
その夜、角巻わためが髪をバッサリ切った話は、インターネットを駆け巡った 貴彦「今日も頑張ろう!!!!」自転車ガシャガシャ
?「おい」
貴彦「え?」きぃ
チビ不細工メガネ大学生「おいガキ、その手袋よこせよ」
貴彦「え?なんでですか?」
チビ不細工メガネ大学生「いいからよこせよ!!」ぐい
貴彦「なっ!!!なにするんだよ!!」腹パン
チビ不細工メガネ大学生「ぐふっ」バタン
貴彦「なんなんだよ全く、気持ち悪いなぁ」自転車ガシャガシャ 貴彦「えーと、佐藤さんと、山田さんと、」新聞ごそごそ
にきびいっぱいデブおっさん「……」そろーりそろーり
貴彦「ん?」
にきびいっぱいデブおっさん「もらった!!」手袋ぱっ ダッダッダッ
貴彦「あ!!!待てよ!!!」ダッダッダッダッダッダッ
にきびいっぱいデブおっさん「はぁ……はぁ……あ!!!!」スッテンコロリンドッシャーーーーーー
貴彦「泥棒!!返せ!!」ばっ
にきびいっぱいデブおっさん「うえええええええ足痛いよおおおおおおおママーーーー」わんわん
貴彦「なんなんだよさっきから」 貴彦「あと1件だな!」自転車ガシャガシャ
ベンツ ピッピッ(クラクション)
貴彦「ん?」
ベンツのドアが開く
かっこいいおじさん「君、新聞配達してる人?」
貴彦「そうですけど」
かっこいいおじさん「もしかして、その手袋盗られそうになったりした?」
貴彦「はい、さっき気持ち悪い人達に」
かっこいいおじさん「やっぱりね、それ、かわいくてふわふわした感じのお姉さんにもらっただろ」
貴彦「はい、そうですけど」
かっこいいおじさん「そのお姉さんはね、インターネットで有名なアイドルなんだよ、だから手袋はファンが狙ってる」 貴彦「なるほど……そうだったのか」
かっこいいおじさん「君、高校生くらいだよね?よかったら新聞配達してる理由を教えてくれないか?」
貴彦「病気のお袋の手術代が足らなくて」
かっこいいおじさん「へぇ……かっこいいね、わためぇがファンになるのもわかるな、ちなみに手術代っていくらかかるの?」
貴彦「えっと、200万貯まればできるんですけど」
かっこいいおじさん「そうか、実はね、おじさんもその手袋が欲しいんだ。200万円で売ってくれないかな」
貴彦「えぇ!?200万円!!??」 かっこいいおじさん「どうかな?お母さんの手術、すぐできるよ」
貴彦「……ごめんなさい。ちょっと考えさせてくれませんか。」
かっこいいおじさん「どうして迷うんだい?」
貴彦「俺のために編んでくれた手袋だから、売るのはどうかと思って」
かっこいいおじさん「……君のこと気に入ったよ、そうだな……もしも売る気になったらおじさんの携帯に連絡くれないか?」メモぴっ
貴彦「わかりました。」
かっこいいおじさん「色々聞いて悪かったね。風邪ひかないようにね」
ベンツ ブオオオオオオン
貴彦「……」手袋を見つめる ~次の日~
貴彦「よっしゃー!!今日も頑張るぜ!!」自転車ガシャガシャ
わため「こんばんわ!」
貴彦「あ!手袋くれたお姉さん!どうも!」
わため「ちょっと休憩しませんか?わためぇココア買ったんです!温かいですよ!」つ缶
貴彦「ありがとうございます、いただきます」ごくごく
わため「ふふ」ごく
貴彦「あの……実は……」
わため「?」
貴彦「お姉さんにもらった手袋を、売ってくれって言われたんです」
わため「あ……」 貴彦「お姉さん、アイドルだったんですね、その、実はお袋の手術代のために新聞配達してるんですけど、200万必要で、全然足りなくて、その」
わため「売って下さい!」
貴彦「え?」
わため「お母さんのために、売って下さい!」
貴彦「で、でも、せっかく俺のために」
わため「いいんです!あなたの役に立つなら!でもそのかわり、一つお願いがあるんです!」
貴彦「なんですか?」 わため「その靴をもらえませんか?」
貴彦「え?これですか?安物ですよ?しかも泥だらけだし」
わため「その靴で毎日ペダル漕いでたんですよね!欲しいです!」
貴彦「こんなので良ければいいですよ」
わため「やったーw、あ!ちょっとまってて下さい!」とてててて
貴彦「?」
わため「おまたせしました!これ、わためぇが前に作ったグッズで、フリーサイズの靴だからつかえるかも!」つ 変なもこもこ靴
貴彦「あ、はい、じゃあ」履き替える
わため「どうですか?きつくないですか?」
貴彦「ちょうどいいです、じゃあ、これ……」つ ボロボロの靴
わため「ありがとうございます!大切にします!」
貴彦「そろそろ配達の続き行ってきます!!」
わため「頑張ってください!!」 かっこいいおじさん「もしもし」
貴彦「あ、俺、新聞配達の」
かっこいいおじさん「ああ!君か!それで、売ってくれる気になったかな」
貴彦「はい、あの、どうすればいいですか?」
かっこいいおじさん「明日、前会った場所に車停めて待ってるよ」
貴彦「わかりました!では!」ぴ ~次の日~
ベンツ ライトちか!
貴彦「……」自転車 きぃ
ベンツのドアが開く
かっこいいおじさん「やあ」
貴彦「ども、持ってきました」つ コンビニの袋に入れた手袋
かっこいいおじさん「ありがとう、じゃあこれ、お母さん良くなると良いね」つ 札束
貴彦「え!?これ!!400万!?」
かっこいいおじさん「残りで好きなものでも買いなさい」
貴彦「良いんですか!?」
かっこいいおじさん「君が気に入ったからね、気持ちだよ。あ、あとこれもあげよう」つ キーホルダー
貴彦「手袋のお姉さんのキーホルダーですね……ありがとうございます!」
かっこいいおじさん「君はまだ子供なんだから、青春を送りなさい」
ベンツ ブオオオオオオン
貴彦「……」ぺこり ~その夜、角巻わため、雑談配信~
わため「こんばんわwわためぇですw」
わため「えw機嫌良さそうにみえる?w」
わため「うんwほしい靴があってw手に入ったからw」
わため「使うのもったいなくて飾ってるけどw」
わため「ふふw」
わため「みんなはダンロップってブランド知ってる?w」
続く ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています