進学校で知られる私立清風高校(大阪市天王寺区)の男子生徒(当時17歳)が試験でのカンニング後に自殺したのは、教師らの不適切な指導が原因だとして、両親が近く、学校側に計約1億円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こす。両親側は、教師らがカンニングをする人間を「ひきょう者」と表現していたことが生徒を心理的に追い詰めたと訴えている。


 学校側は生徒の死後、弁護士らでつくる第三者委を設け、指導に問題がなかったかを調べた。第三者委は報告書で「ひきょう者という言葉は自死に一定影響した」としつつ、同じ訓話を聞いてカンニングをした複数の生徒が謹慎処分後に復学しているなどとして「自殺に追い込んだとまでは言い難い」と結論付けた。