お前らみんなさ、何かしらの特技があると思う。
ずっとアニメ見てられるとか、ゲームできるとか、ごちゃんできるとか、お絵描きできるとか、楽器弾けるとか、音楽作れるとか、運動神経が良いとか、人付き合い上手いとか、容姿が良いとか、声が良いとか。
何かはあるはず。
だけどな、“一番”ではないと思うんや。
そんな奴がこんなとこに居ないだろうし。
競争主義社会だから、何事にも順位を付けられて、その順位に応じてお金を稼げたりする。
だから、ワイらの使う言葉は、どこか汚い訳。
個人の努力で得た才能が評価されるのは当たり前で、それが価値に変換され、お金に変換される。
動物社会としても、人間社会としても、この原理は正しいって教わった。
でも、不思議な物で、誰かから愛されてると実感できると、なぜか人は競争精神を失くしていく。
年齢や社会との関わりも関係しているのかもしれないけど…
「自分だけじゃなくて、みんなが輝ける世界なら、どんなに良いだろ」って、心から思えるようになる。
人によっては、これを、「逃げた」なんて思うのかもしれない。そうかもしれない。確かに、楽だ。今持ってる能力だけで満足してしまうなら。だから、多数の人は日々、上を目指したりする。
それを完全に止めてしまうと、その人の時間は進まなくなる。他人任せにするくせに、他人から逃げようとする。
でも、どれだけ逃げたって、やっぱり、どこかで人と繋がっていたくなる。
だから、この一年半、こんな場所で自我を保ってた。馬鹿らしいよな。別に、ここじゃなくても良かったわけ。どこでもよかった。
「そんなんだから馬鹿で、やっていけない」って思われても仕方ない。でも、なんか一つの事だけやってたくなる。好きだと、止まらなくなる。
生存欲求、所属欲求、成長欲求の順で、欲求は加速していくなんて、何かの本で読んだっけ。
阿呆らしいよな。そんなもん、まともに社会生活送ってたら、ネットなんか使わなくても、分かるだろって話よな。
ネットとかでバズる風刺画? ネットミームとかって言ったりするんだっけ? ああいうの作れる人は、本当に凄いなと思う。だって、どんだけ世の中見えてんだよって話よな。そんな余裕ねーよ。
それで、最初の話に戻るけど、なんだっけなぁ…
そういう一番とかどうこうってさ、“形があるもの”じゃん?
俺は、“形がないもの”の方が良いよなって思えるわけ。
だから、なんか、まぁ恥ずかしいけど、可不ちゃん好きなのかも。