家庭で躾をしないからだろ


 修学旅行中、風呂上がりに水滴がついていないかをチェックするために、教師が生徒の裸を目視検査する指導がある。そんな記事が一部で話題になっている。学校側は指導の正当性を主張しているようだが……

 「修学旅行の風呂上がり『水滴チェック』あり? 裸の生徒を教員が目視検査…中学校は『必要な指導」』(Yahoo!ニュースへの配信は1月22日/西日本新聞サイト内では有料記事)によれば、福岡都市圏の市立中に通う女子生徒の保護者から寄せられた声が、記事のきっかけ。

 修学旅行中、風呂上がりに教員から裸で万歳をさせられた上で目視による「水滴チェック」が行われ、中学2年生の娘は「気持ち悪かった」と話したという。西日本新聞が学校側に取材すると、それぞれの浴場に同性の教員2人を配置し、入浴指導が行われたそうだ。

 また、これは九州を中心に全国の学校で行われているようであり、「見直す考えはない」「気持ち悪いと感じる子がいるなら、指導の意図が伝わっていないだけではないか」といった教員たちの声が紹介されている。教育現場では、あくまでも共同入浴場での必要な「マナー指導」であるという認識のようだ。

 また、体を十分に拭く行為を「体が冷えないように」ではなく、まずマナーの問題と捉えることにも違和感がある。水滴がついたまま脱衣所に移動すれば、確かに床が濡れて他人の迷惑になってしまうが、思春期の裸を人に見せたくないといった事情で、早く服を着たい子どももいる。マナーの前に、そもそも子どもが集団行動の中で全裸にならなければならない状況が特殊だと考えた方がよいのではないか。温泉や銭湯での共同入浴は日本の文化とはいえ、それが好きではない人は存在する。