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ゼットクソガキワイを救うスレ
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0001風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:12:56.04ID:zmH+zK6P0
「いい曲作れない人生は一切価値がない」「いい曲作れないならそいつは死んでいい」とまで言うワイなんやが音楽の才能がなさそう
さて、どうすべきか
0002風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:13:17.43ID:iypUUSMva
どうしよ😭
0003風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:13:35.05ID:zmH+zK6P0
>>2
どうする
0004風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:13:41.44ID:4ykFS+KF0
何言ってんだこいつ🥺
0005風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:14:17.38ID:4pSMmq7J0
救いなんてねえよ
ちなワイアルファクソガキ
0006風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:14:25.50ID:A1nt9zM10
ワイは最後ノZ世代や
0007風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:15:01.44ID:VqLO9Ght0
なにいってだこいつ
0008風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:15:13.03ID:zmH+zK6P0
>>4
いや
ほんとにおもっとる
0009風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:15:29.53ID:zmH+zK6P0
>>5
ないか
0010風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:16:01.38ID:p4T0VVUnM
まんこにキズ
0011風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:16:22.50ID:zmH+zK6P0
>>7
事実や
0012風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:16:49.85ID:zmH+zK6P0
>>10
はい
0013風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:16:54.68ID:227uLJH/a
なでなでしたい、かわいいって言って照れさせたい^ ̳ᴗ ̫ ᴗ ̳^
0014風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:18:45.50ID:27LCi0x/d
酒が切れたから死のうと思った。
土塊色の眼窩に諦念を溜めて、眼差しも気遣わずぶらぶらと道路へ出る。そういえばタンクトップの黄色い染みはなんだったか。ああ、先日こぼしたインスタントラーメンか。いや、また別の日に引っ付けた吐瀉物の跳ね返りだったか。
坂の上から目を刺す西陽は、ぽつぽつと向かってくる真っ黒い影に後光を飾りながらその面を隠し気味が悪い。いやいっそ誂え向きだろう、これから何もかも放り出して黄泉へ逃げ込むのだから。
焼けた銅でも飲まされて舌でも抜かれるのかなぁなどとぼんやりしていたら、真っ黒い影の一つがうねうねと波打って見える。ちょうど胃痛に耐えていたところ、眼鏡の置き忘れに気づき「どおりで」と刹那に納得した。このまま死ぬのだから眼鏡などどうだっていいだろう。
繰言から注意を戻し、影の頭が一瞬前よりわずかに大きく見えてもなお理由をつけてぶつぶつと納得していたが、変化に加速度を感じた時、情緒的なぐずぐずした妄想は吹き飛んだ。
あたまが膨らんでいるのではないか。あれは3つの影の一番後方、あれに気づいているのは私だけか。
みるみる膨張してついには遠景で拳大になった真っ暗な頭部は、赤い西陽に目が慣れてもなお真っ黒で、それはそもそも真っ黒だった。
細い身体がゆっくりと地面を離れ、浮いていく。前2つの影もいつの間にか頭が膨らんでいて、ゆっくりと浮かんでいく。一番前の影は魚眼レンズで接写したような笑みを浮かべていた。
ついに世界がぶっ壊れたか。坂も塀ものっぺりと横長に伸びていって、西陽などは蛙の黒目のようだ。鏡など見なくとも己のニタニタした綻びが分かる。
なんと愉快なことだろう。しみったれた世間が眼下に降っていく。私を下した世間が、今は私の足裏にひざまづいている。なんとも言えない高揚に胸がきゅうきゅう高鳴り、世界は薄っぺらに、矮小に、ついには真っ赤な線一本だけになって、それから真っ黒になった。
真っ暗でも皮膚の逆立ちで重力が分かる。惑星が私を引き止めようとしても、もはや無駄だ。いつの間にか胃痛も治まって、気怠いじめじめとした蒸し暑さもない。皮膚の逆立ちだけが感覚を支配する。
やがて膨らみきってツルツルになったら、唯一残った肌の感覚さえも失われるのだろうか。それもいい。そうしよう。そうあるべきだ。
もはや何も感じない。ただ思考のみが残った。しかし思考は五感と違っていつまでも明晰であることをやめてはくれない。ぼんやりとした霧散を望んでも、なんと澄み渡っていることだろう。
ああ、これが地獄か。
0015風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:18:47.31ID:27LCi0x/d
酒が切れたから死のうと思った。
土塊色の眼窩に諦念を溜めて、眼差しも気遣わずぶらぶらと道路へ出る。そういえばタンクトップの黄色い染みはなんだったか。ああ、先日こぼしたインスタントラーメンか。いや、また別の日に引っ付けた吐瀉物の跳ね返りだったか。
坂の上から目を刺す西陽は、ぽつぽつと向かってくる真っ黒い影に後光を飾りながらその面を隠し気味が悪い。いやいっそ誂え向きだろう、これから何もかも放り出して黄泉へ逃げ込むのだから。
焼けた銅でも飲まされて舌でも抜かれるのかなぁなどとぼんやりしていたら、真っ黒い影の一つがうねうねと波打って見える。ちょうど胃痛に耐えていたところ、眼鏡の置き忘れに気づき「どおりで」と刹那に納得した。このまま死ぬのだから眼鏡などどうだっていいだろう。
繰言から注意を戻し、影の頭が一瞬前よりわずかに大きく見えてもなお理由をつけてぶつぶつと納得していたが、変化に加速度を感じた時、情緒的なぐずぐずした妄想は吹き飛んだ。
あたまが膨らんでいるのではないか。あれは3つの影の一番後方、あれに気づいているのは私だけか。
みるみる膨張してついには遠景で拳大になった真っ暗な頭部は、赤い西陽に目が慣れてもなお真っ黒で、それはそもそも真っ黒だった。
細い身体がゆっくりと地面を離れ、浮いていく。前2つの影もいつの間にか頭が膨らんでいて、ゆっくりと浮かんでいく。一番前の影は魚眼レンズで接写したような笑みを浮かべていた。
ついに世界がぶっ壊れたか。坂も塀ものっぺりと横長に伸びていって、西陽などは蛙の黒目のようだ。鏡など見なくとも己のニタニタした綻びが分かる。
なんと愉快なことだろう。しみったれた世間が眼下に降っていく。私を下した世間が、今は私の足裏にひざまづいている。なんとも言えない高揚に胸がきゅうきゅう高鳴り、世界は薄っぺらに、矮小に、ついには真っ赤な線一本だけになって、それから真っ黒になった。
真っ暗でも皮膚の逆立ちで重力が分かる。惑星が私を引き止めようとしても、もはや無駄だ。いつの間にか胃痛も治まって、気怠いじめじめとした蒸し暑さもない。皮膚の逆立ちだけが感覚を支配する。
やがて膨らみきってツルツルになったら、唯一残った肌の感覚さえも失われるのだろうか。それもいい。そうしよう。そうあるべきだ。
もはや何も感じない。ただ思考のみが残った。しかし思考は五感と違っていつまでも明晰であることをやめてはくれない。ぼんやりとした霧散を望んでも、なんと澄み渡っていることだろう。
ああ、これが地獄か。
0016風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:18:48.91ID:27LCi0x/d
酒が切れたから死のうと思った。
土塊色の眼窩に諦念を溜めて、眼差しも気遣わずぶらぶらと道路へ出る。そういえばタンクトップの黄色い染みはなんだったか。ああ、先日こぼしたインスタントラーメンか。いや、また別の日に引っ付けた吐瀉物の跳ね返りだったか。
坂の上から目を刺す西陽は、ぽつぽつと向かってくる真っ黒い影に後光を飾りながらその面を隠し気味が悪い。いやいっそ誂え向きだろう、これから何もかも放り出して黄泉へ逃げ込むのだから。
焼けた銅でも飲まされて舌でも抜かれるのかなぁなどとぼんやりしていたら、真っ黒い影の一つがうねうねと波打って見える。ちょうど胃痛に耐えていたところ、眼鏡の置き忘れに気づき「どおりで」と刹那に納得した。このまま死ぬのだから眼鏡などどうだっていいだろう。
繰言から注意を戻し、影の頭が一瞬前よりわずかに大きく見えてもなお理由をつけてぶつぶつと納得していたが、変化に加速度を感じた時、情緒的なぐずぐずした妄想は吹き飛んだ。
あたまが膨らんでいるのではないか。あれは3つの影の一番後方、あれに気づいているのは私だけか。
みるみる膨張してついには遠景で拳大になった真っ暗な頭部は、赤い西陽に目が慣れてもなお真っ黒で、それはそもそも真っ黒だった。
細い身体がゆっくりと地面を離れ、浮いていく。前2つの影もいつの間にか頭が膨らんでいて、ゆっくりと浮かんでいく。一番前の影は魚眼レンズで接写したような笑みを浮かべていた。
ついに世界がぶっ壊れたか。坂も塀ものっぺりと横長に伸びていって、西陽などは蛙の黒目のようだ。鏡など見なくとも己のニタニタした綻びが分かる。
なんと愉快なことだろう。しみったれた世間が眼下に降っていく。私を下した世間が、今は私の足裏にひざまづいている。なんとも言えない高揚に胸がきゅうきゅう高鳴り、世界は薄っぺらに、矮小に、ついには真っ赤な線一本だけになって、それから真っ黒になった。
真っ暗でも皮膚の逆立ちで重力が分かる。惑星が私を引き止めようとしても、もはや無駄だ。いつの間にか胃痛も治まって、気怠いじめじめとした蒸し暑さもない。皮膚の逆立ちだけが感覚を支配する。
やがて膨らみきってツルツルになったら、唯一残った肌の感覚さえも失われるのだろうか。それもいい。そうしよう。そうあるべきだ。
もはや何も感じない。ただ思考のみが残った。しかし思考は五感と違っていつまでも明晰であることをやめてはくれない。ぼんやりとした霧散を望んでも、なんと澄み渡っていることだろう。
ああ、これが地獄か。
0017風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:18:56.42ID:d2PlARocd
酒が切れたから死のうと思った。
土塊色の眼窩に諦念を溜めて、眼差しも気遣わずぶらぶらと道路へ出る。そういえばタンクトップの黄色い染みはなんだったか。ああ、先日こぼしたインスタントラーメンか。いや、また別の日に引っ付けた吐瀉物の跳ね返りだったか。
坂の上から目を刺す西陽は、ぽつぽつと向かってくる真っ黒い影に後光を飾りながらその面を隠し気味が悪い。いやいっそ誂え向きだろう、これから何もかも放り出して黄泉へ逃げ込むのだから。
焼けた銅でも飲まされて舌でも抜かれるのかなぁなどとぼんやりしていたら、真っ黒い影の一つがうねうねと波打って見える。ちょうど胃痛に耐えていたところ、眼鏡の置き忘れに気づき「どおりで」と刹那に納得した。このまま死ぬのだから眼鏡などどうだっていいだろう。
繰言から注意を戻し、影の頭が一瞬前よりわずかに大きく見えてもなお理由をつけてぶつぶつと納得していたが、変化に加速度を感じた時、情緒的なぐずぐずした妄想は吹き飛んだ。
あたまが膨らんでいるのではないか。あれは3つの影の一番後方、あれに気づいているのは私だけか。
みるみる膨張してついには遠景で拳大になった真っ暗な頭部は、赤い西陽に目が慣れてもなお真っ黒で、それはそもそも真っ黒だった。
細い身体がゆっくりと地面を離れ、浮いていく。前2つの影もいつの間にか頭が膨らんでいて、ゆっくりと浮かんでいく。一番前の影は魚眼レンズで接写したような笑みを浮かべていた。
ついに世界がぶっ壊れたか。坂も塀ものっぺりと横長に伸びていって、西陽などは蛙の黒目のようだ。鏡など見なくとも己のニタニタした綻びが分かる。
なんと愉快なことだろう。しみったれた世間が眼下に降っていく。私を下した世間が、今は私の足裏にひざまづいている。なんとも言えない高揚に胸がきゅうきゅう高鳴り、世界は薄っぺらに、矮小に、ついには真っ赤な線一本だけになって、それから真っ黒になった。
真っ暗でも皮膚の逆立ちで重力が分かる。惑星が私を引き止めようとしても、もはや無駄だ。いつの間にか胃痛も治まって、気怠いじめじめとした蒸し暑さもない。皮膚の逆立ちだけが感覚を支配する。
やがて膨らみきってツルツルになったら、唯一残った肌の感覚さえも失われるのだろうか。それもいい。そうしよう。そうあるべきだ。
もはや何も感じない。ただ思考のみが残った。しかし思考は五感と違っていつまでも明晰であることをやめてはくれない。ぼんやりとした霧散を望んでも、なんと澄み渡っていることだろう。
ああ、これが地獄か。
0018風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:18:58.16ID:d2PlARocd
酒が切れたから死のうと思った。
土塊色の眼窩に諦念を溜めて、眼差しも気遣わずぶらぶらと道路へ出る。そういえばタンクトップの黄色い染みはなんだったか。ああ、先日こぼしたインスタントラーメンか。いや、また別の日に引っ付けた吐瀉物の跳ね返りだったか。
坂の上から目を刺す西陽は、ぽつぽつと向かってくる真っ黒い影に後光を飾りながらその面を隠し気味が悪い。いやいっそ誂え向きだろう、これから何もかも放り出して黄泉へ逃げ込むのだから。
焼けた銅でも飲まされて舌でも抜かれるのかなぁなどとぼんやりしていたら、真っ黒い影の一つがうねうねと波打って見える。ちょうど胃痛に耐えていたところ、眼鏡の置き忘れに気づき「どおりで」と刹那に納得した。このまま死ぬのだから眼鏡などどうだっていいだろう。
繰言から注意を戻し、影の頭が一瞬前よりわずかに大きく見えてもなお理由をつけてぶつぶつと納得していたが、変化に加速度を感じた時、情緒的なぐずぐずした妄想は吹き飛んだ。
あたまが膨らんでいるのではないか。あれは3つの影の一番後方、あれに気づいているのは私だけか。
みるみる膨張してついには遠景で拳大になった真っ暗な頭部は、赤い西陽に目が慣れてもなお真っ黒で、それはそもそも真っ黒だった。
細い身体がゆっくりと地面を離れ、浮いていく。前2つの影もいつの間にか頭が膨らんでいて、ゆっくりと浮かんでいく。一番前の影は魚眼レンズで接写したような笑みを浮かべていた。
ついに世界がぶっ壊れたか。坂も塀ものっぺりと横長に伸びていって、西陽などは蛙の黒目のようだ。鏡など見なくとも己のニタニタした綻びが分かる。
なんと愉快なことだろう。しみったれた世間が眼下に降っていく。私を下した世間が、今は私の足裏にひざまづいている。なんとも言えない高揚に胸がきゅうきゅう高鳴り、世界は薄っぺらに、矮小に、ついには真っ赤な線一本だけになって、それから真っ黒になった。
真っ暗でも皮膚の逆立ちで重力が分かる。惑星が私を引き止めようとしても、もはや無駄だ。いつの間にか胃痛も治まって、気怠いじめじめとした蒸し暑さもない。皮膚の逆立ちだけが感覚を支配する。
やがて膨らみきってツルツルになったら、唯一残った肌の感覚さえも失われるのだろうか。それもいい。そうしよう。そうあるべきだ。
もはや何も感じない。ただ思考のみが残った。しかし思考は五感と違っていつまでも明晰であることをやめてはくれない。ぼんやりとした霧散を望んでも、なんと澄み渡っていることだろう。
ああ、これが地獄か。
0019風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:18:59.70ID:d2PlARocd
酒が切れたから死のうと思った。
土塊色の眼窩に諦念を溜めて、眼差しも気遣わずぶらぶらと道路へ出る。そういえばタンクトップの黄色い染みはなんだったか。ああ、先日こぼしたインスタントラーメンか。いや、また別の日に引っ付けた吐瀉物の跳ね返りだったか。
坂の上から目を刺す西陽は、ぽつぽつと向かってくる真っ黒い影に後光を飾りながらその面を隠し気味が悪い。いやいっそ誂え向きだろう、これから何もかも放り出して黄泉へ逃げ込むのだから。
焼けた銅でも飲まされて舌でも抜かれるのかなぁなどとぼんやりしていたら、真っ黒い影の一つがうねうねと波打って見える。ちょうど胃痛に耐えていたところ、眼鏡の置き忘れに気づき「どおりで」と刹那に納得した。このまま死ぬのだから眼鏡などどうだっていいだろう。
繰言から注意を戻し、影の頭が一瞬前よりわずかに大きく見えてもなお理由をつけてぶつぶつと納得していたが、変化に加速度を感じた時、情緒的なぐずぐずした妄想は吹き飛んだ。
あたまが膨らんでいるのではないか。あれは3つの影の一番後方、あれに気づいているのは私だけか。
みるみる膨張してついには遠景で拳大になった真っ暗な頭部は、赤い西陽に目が慣れてもなお真っ黒で、それはそもそも真っ黒だった。
細い身体がゆっくりと地面を離れ、浮いていく。前2つの影もいつの間にか頭が膨らんでいて、ゆっくりと浮かんでいく。一番前の影は魚眼レンズで接写したような笑みを浮かべていた。
ついに世界がぶっ壊れたか。坂も塀ものっぺりと横長に伸びていって、西陽などは蛙の黒目のようだ。鏡など見なくとも己のニタニタした綻びが分かる。
なんと愉快なことだろう。しみったれた世間が眼下に降っていく。私を下した世間が、今は私の足裏にひざまづいている。なんとも言えない高揚に胸がきゅうきゅう高鳴り、世界は薄っぺらに、矮小に、ついには真っ赤な線一本だけになって、それから真っ黒になった。
真っ暗でも皮膚の逆立ちで重力が分かる。惑星が私を引き止めようとしても、もはや無駄だ。いつの間にか胃痛も治まって、気怠いじめじめとした蒸し暑さもない。皮膚の逆立ちだけが感覚を支配する。
やがて膨らみきってツルツルになったら、唯一残った肌の感覚さえも失われるのだろうか。それもいい。そうしよう。そうあるべきだ。
もはや何も感じない。ただ思考のみが残った。しかし思考は五感と違っていつまでも明晰であることをやめてはくれない。ぼんやりとした霧散を望んでも、なんと澄み渡っていることだろう。
ああ、これが地獄か。
0020風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:19:06.87ID:hqrzd36Fd
酒が切れたから死のうと思った。
土塊色の眼窩に諦念を溜めて、眼差しも気遣わずぶらぶらと道路へ出る。そういえばタンクトップの黄色い染みはなんだったか。ああ、先日こぼしたインスタントラーメンか。いや、また別の日に引っ付けた吐瀉物の跳ね返りだったか。
坂の上から目を刺す西陽は、ぽつぽつと向かってくる真っ黒い影に後光を飾りながらその面を隠し気味が悪い。いやいっそ誂え向きだろう、これから何もかも放り出して黄泉へ逃げ込むのだから。
焼けた銅でも飲まされて舌でも抜かれるのかなぁなどとぼんやりしていたら、真っ黒い影の一つがうねうねと波打って見える。ちょうど胃痛に耐えていたところ、眼鏡の置き忘れに気づき「どおりで」と刹那に納得した。このまま死ぬのだから眼鏡などどうだっていいだろう。
繰言から注意を戻し、影の頭が一瞬前よりわずかに大きく見えてもなお理由をつけてぶつぶつと納得していたが、変化に加速度を感じた時、情緒的なぐずぐずした妄想は吹き飛んだ。
あたまが膨らんでいるのではないか。あれは3つの影の一番後方、あれに気づいているのは私だけか。
みるみる膨張してついには遠景で拳大になった真っ暗な頭部は、赤い西陽に目が慣れてもなお真っ黒で、それはそもそも真っ黒だった。
細い身体がゆっくりと地面を離れ、浮いていく。前2つの影もいつの間にか頭が膨らんでいて、ゆっくりと浮かんでいく。一番前の影は魚眼レンズで接写したような笑みを浮かべていた。
ついに世界がぶっ壊れたか。坂も塀ものっぺりと横長に伸びていって、西陽などは蛙の黒目のようだ。鏡など見なくとも己のニタニタした綻びが分かる。
なんと愉快なことだろう。しみったれた世間が眼下に降っていく。私を下した世間が、今は私の足裏にひざまづいている。なんとも言えない高揚に胸がきゅうきゅう高鳴り、世界は薄っぺらに、矮小に、ついには真っ赤な線一本だけになって、それから真っ黒になった。
真っ暗でも皮膚の逆立ちで重力が分かる。惑星が私を引き止めようとしても、もはや無駄だ。いつの間にか胃痛も治まって、気怠いじめじめとした蒸し暑さもない。皮膚の逆立ちだけが感覚を支配する。
やがて膨らみきってツルツルになったら、唯一残った肌の感覚さえも失われるのだろうか。それもいい。そうしよう。そうあるべきだ。
もはや何も感じない。ただ思考のみが残った。しかし思考は五感と違っていつまでも明晰であることをやめてはくれない。ぼんやりとした霧散を望んでも、なんと澄み渡っていることだろう。
ああ、これが地獄か。
0021風吹けば名無し
垢版 |
2023/09/12(火) 18:19:08.80ID:hqrzd36Fd
酒が切れたから死のうと思った。
土塊色の眼窩に諦念を溜めて、眼差しも気遣わずぶらぶらと道路へ出る。そういえばタンクトップの黄色い染みはなんだったか。ああ、先日こぼしたインスタントラーメンか。いや、また別の日に引っ付けた吐瀉物の跳ね返りだったか。
坂の上から目を刺す西陽は、ぽつぽつと向かってくる真っ黒い影に後光を飾りながらその面を隠し気味が悪い。いやいっそ誂え向きだろう、これから何もかも放り出して黄泉へ逃げ込むのだから。
焼けた銅でも飲まされて舌でも抜かれるのかなぁなどとぼんやりしていたら、真っ黒い影の一つがうねうねと波打って見える。ちょうど胃痛に耐えていたところ、眼鏡の置き忘れに気づき「どおりで」と刹那に納得した。このまま死ぬのだから眼鏡などどうだっていいだろう。
繰言から注意を戻し、影の頭が一瞬前よりわずかに大きく見えてもなお理由をつけてぶつぶつと納得していたが、変化に加速度を感じた時、情緒的なぐずぐずした妄想は吹き飛んだ。
あたまが膨らんでいるのではないか。あれは3つの影の一番後方、あれに気づいているのは私だけか。
みるみる膨張してついには遠景で拳大になった真っ暗な頭部は、赤い西陽に目が慣れてもなお真っ黒で、それはそもそも真っ黒だった。
細い身体がゆっくりと地面を離れ、浮いていく。前2つの影もいつの間にか頭が膨らんでいて、ゆっくりと浮かんでいく。一番前の影は魚眼レンズで接写したような笑みを浮かべていた。
ついに世界がぶっ壊れたか。坂も塀ものっぺりと横長に伸びていって、西陽などは蛙の黒目のようだ。鏡など見なくとも己のニタニタした綻びが分かる。
なんと愉快なことだろう。しみったれた世間が眼下に降っていく。私を下した世間が、今は私の足裏にひざまづいている。なんとも言えない高揚に胸がきゅうきゅう高鳴り、世界は薄っぺらに、矮小に、ついには真っ赤な線一本だけになって、それから真っ黒になった。
真っ暗でも皮膚の逆立ちで重力が分かる。惑星が私を引き止めようとしても、もはや無駄だ。いつの間にか胃痛も治まって、気怠いじめじめとした蒸し暑さもない。皮膚の逆立ちだけが感覚を支配する。
やがて膨らみきってツルツルになったら、唯一残った肌の感覚さえも失われるのだろうか。それもいい。そうしよう。そうあるべきだ。
もはや何も感じない。ただ思考のみが残った。しかし思考は五感と違っていつまでも明晰であることをやめてはくれない。ぼんやりとした霧散を望んでも、なんと澄み渡っていることだろう。
ああ、これが地獄か。
0022風吹けば名無し
垢版 |
2023/09/12(火) 18:19:10.34ID:hqrzd36Fd
酒が切れたから死のうと思った。
土塊色の眼窩に諦念を溜めて、眼差しも気遣わずぶらぶらと道路へ出る。そういえばタンクトップの黄色い染みはなんだったか。ああ、先日こぼしたインスタントラーメンか。いや、また別の日に引っ付けた吐瀉物の跳ね返りだったか。
坂の上から目を刺す西陽は、ぽつぽつと向かってくる真っ黒い影に後光を飾りながらその面を隠し気味が悪い。いやいっそ誂え向きだろう、これから何もかも放り出して黄泉へ逃げ込むのだから。
焼けた銅でも飲まされて舌でも抜かれるのかなぁなどとぼんやりしていたら、真っ黒い影の一つがうねうねと波打って見える。ちょうど胃痛に耐えていたところ、眼鏡の置き忘れに気づき「どおりで」と刹那に納得した。このまま死ぬのだから眼鏡などどうだっていいだろう。
繰言から注意を戻し、影の頭が一瞬前よりわずかに大きく見えてもなお理由をつけてぶつぶつと納得していたが、変化に加速度を感じた時、情緒的なぐずぐずした妄想は吹き飛んだ。
あたまが膨らんでいるのではないか。あれは3つの影の一番後方、あれに気づいているのは私だけか。
みるみる膨張してついには遠景で拳大になった真っ暗な頭部は、赤い西陽に目が慣れてもなお真っ黒で、それはそもそも真っ黒だった。
細い身体がゆっくりと地面を離れ、浮いていく。前2つの影もいつの間にか頭が膨らんでいて、ゆっくりと浮かんでいく。一番前の影は魚眼レンズで接写したような笑みを浮かべていた。
ついに世界がぶっ壊れたか。坂も塀ものっぺりと横長に伸びていって、西陽などは蛙の黒目のようだ。鏡など見なくとも己のニタニタした綻びが分かる。
なんと愉快なことだろう。しみったれた世間が眼下に降っていく。私を下した世間が、今は私の足裏にひざまづいている。なんとも言えない高揚に胸がきゅうきゅう高鳴り、世界は薄っぺらに、矮小に、ついには真っ赤な線一本だけになって、それから真っ黒になった。
真っ暗でも皮膚の逆立ちで重力が分かる。惑星が私を引き止めようとしても、もはや無駄だ。いつの間にか胃痛も治まって、気怠いじめじめとした蒸し暑さもない。皮膚の逆立ちだけが感覚を支配する。
やがて膨らみきってツルツルになったら、唯一残った肌の感覚さえも失われるのだろうか。それもいい。そうしよう。そうあるべきだ。
もはや何も感じない。ただ思考のみが残った。しかし思考は五感と違っていつまでも明晰であることをやめてはくれない。ぼんやりとした霧散を望んでも、なんと澄み渡っていることだろう。
ああ、これが地獄か。
0023風吹けば名無し
垢版 |
2023/09/12(火) 18:19:17.81ID:qc5ilSd1d
酒が切れたから死のうと思った。
土塊色の眼窩に諦念を溜めて、眼差しも気遣わずぶらぶらと道路へ出る。そういえばタンクトップの黄色い染みはなんだったか。ああ、先日こぼしたインスタントラーメンか。いや、また別の日に引っ付けた吐瀉物の跳ね返りだったか。
坂の上から目を刺す西陽は、ぽつぽつと向かってくる真っ黒い影に後光を飾りながらその面を隠し気味が悪い。いやいっそ誂え向きだろう、これから何もかも放り出して黄泉へ逃げ込むのだから。
焼けた銅でも飲まされて舌でも抜かれるのかなぁなどとぼんやりしていたら、真っ黒い影の一つがうねうねと波打って見える。ちょうど胃痛に耐えていたところ、眼鏡の置き忘れに気づき「どおりで」と刹那に納得した。このまま死ぬのだから眼鏡などどうだっていいだろう。
繰言から注意を戻し、影の頭が一瞬前よりわずかに大きく見えてもなお理由をつけてぶつぶつと納得していたが、変化に加速度を感じた時、情緒的なぐずぐずした妄想は吹き飛んだ。
あたまが膨らんでいるのではないか。あれは3つの影の一番後方、あれに気づいているのは私だけか。
みるみる膨張してついには遠景で拳大になった真っ暗な頭部は、赤い西陽に目が慣れてもなお真っ黒で、それはそもそも真っ黒だった。
細い身体がゆっくりと地面を離れ、浮いていく。前2つの影もいつの間にか頭が膨らんでいて、ゆっくりと浮かんでいく。一番前の影は魚眼レンズで接写したような笑みを浮かべていた。
ついに世界がぶっ壊れたか。坂も塀ものっぺりと横長に伸びていって、西陽などは蛙の黒目のようだ。鏡など見なくとも己のニタニタした綻びが分かる。
なんと愉快なことだろう。しみったれた世間が眼下に降っていく。私を下した世間が、今は私の足裏にひざまづいている。なんとも言えない高揚に胸がきゅうきゅう高鳴り、世界は薄っぺらに、矮小に、ついには真っ赤な線一本だけになって、それから真っ黒になった。
真っ暗でも皮膚の逆立ちで重力が分かる。惑星が私を引き止めようとしても、もはや無駄だ。いつの間にか胃痛も治まって、気怠いじめじめとした蒸し暑さもない。皮膚の逆立ちだけが感覚を支配する。
やがて膨らみきってツルツルになったら、唯一残った肌の感覚さえも失われるのだろうか。それもいい。そうしよう。そうあるべきだ。
もはや何も感じない。ただ思考のみが残った。しかし思考は五感と違っていつまでも明晰であることをやめてはくれない。ぼんやりとした霧散を望んでも、なんと澄み渡っていることだろう。
ああ、これが地獄か。
0024風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:19:19.93ID:qc5ilSd1d
酒が切れたから死のうと思った。
土塊色の眼窩に諦念を溜めて、眼差しも気遣わずぶらぶらと道路へ出る。そういえばタンクトップの黄色い染みはなんだったか。ああ、先日こぼしたインスタントラーメンか。いや、また別の日に引っ付けた吐瀉物の跳ね返りだったか。
坂の上から目を刺す西陽は、ぽつぽつと向かってくる真っ黒い影に後光を飾りながらその面を隠し気味が悪い。いやいっそ誂え向きだろう、これから何もかも放り出して黄泉へ逃げ込むのだから。
焼けた銅でも飲まされて舌でも抜かれるのかなぁなどとぼんやりしていたら、真っ黒い影の一つがうねうねと波打って見える。ちょうど胃痛に耐えていたところ、眼鏡の置き忘れに気づき「どおりで」と刹那に納得した。このまま死ぬのだから眼鏡などどうだっていいだろう。
繰言から注意を戻し、影の頭が一瞬前よりわずかに大きく見えてもなお理由をつけてぶつぶつと納得していたが、変化に加速度を感じた時、情緒的なぐずぐずした妄想は吹き飛んだ。
あたまが膨らんでいるのではないか。あれは3つの影の一番後方、あれに気づいているのは私だけか。
みるみる膨張してついには遠景で拳大になった真っ暗な頭部は、赤い西陽に目が慣れてもなお真っ黒で、それはそもそも真っ黒だった。
細い身体がゆっくりと地面を離れ、浮いていく。前2つの影もいつの間にか頭が膨らんでいて、ゆっくりと浮かんでいく。一番前の影は魚眼レンズで接写したような笑みを浮かべていた。
ついに世界がぶっ壊れたか。坂も塀ものっぺりと横長に伸びていって、西陽などは蛙の黒目のようだ。鏡など見なくとも己のニタニタした綻びが分かる。
なんと愉快なことだろう。しみったれた世間が眼下に降っていく。私を下した世間が、今は私の足裏にひざまづいている。なんとも言えない高揚に胸がきゅうきゅう高鳴り、世界は薄っぺらに、矮小に、ついには真っ赤な線一本だけになって、それから真っ黒になった。
真っ暗でも皮膚の逆立ちで重力が分かる。惑星が私を引き止めようとしても、もはや無駄だ。いつの間にか胃痛も治まって、気怠いじめじめとした蒸し暑さもない。皮膚の逆立ちだけが感覚を支配する。
やがて膨らみきってツルツルになったら、唯一残った肌の感覚さえも失われるのだろうか。それもいい。そうしよう。そうあるべきだ。
もはや何も感じない。ただ思考のみが残った。しかし思考は五感と違っていつまでも明晰であることをやめてはくれない。ぼんやりとした霧散を望んでも、なんと澄み渡っていることだろう。
ああ、これが地獄か。
0025風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:19:21.73ID:qc5ilSd1d
酒が切れたから死のうと思った。
土塊色の眼窩に諦念を溜めて、眼差しも気遣わずぶらぶらと道路へ出る。そういえばタンクトップの黄色い染みはなんだったか。ああ、先日こぼしたインスタントラーメンか。いや、また別の日に引っ付けた吐瀉物の跳ね返りだったか。
坂の上から目を刺す西陽は、ぽつぽつと向かってくる真っ黒い影に後光を飾りながらその面を隠し気味が悪い。いやいっそ誂え向きだろう、これから何もかも放り出して黄泉へ逃げ込むのだから。
焼けた銅でも飲まされて舌でも抜かれるのかなぁなどとぼんやりしていたら、真っ黒い影の一つがうねうねと波打って見える。ちょうど胃痛に耐えていたところ、眼鏡の置き忘れに気づき「どおりで」と刹那に納得した。このまま死ぬのだから眼鏡などどうだっていいだろう。
繰言から注意を戻し、影の頭が一瞬前よりわずかに大きく見えてもなお理由をつけてぶつぶつと納得していたが、変化に加速度を感じた時、情緒的なぐずぐずした妄想は吹き飛んだ。
あたまが膨らんでいるのではないか。あれは3つの影の一番後方、あれに気づいているのは私だけか。
みるみる膨張してついには遠景で拳大になった真っ暗な頭部は、赤い西陽に目が慣れてもなお真っ黒で、それはそもそも真っ黒だった。
細い身体がゆっくりと地面を離れ、浮いていく。前2つの影もいつの間にか頭が膨らんでいて、ゆっくりと浮かんでいく。一番前の影は魚眼レンズで接写したような笑みを浮かべていた。
ついに世界がぶっ壊れたか。坂も塀ものっぺりと横長に伸びていって、西陽などは蛙の黒目のようだ。鏡など見なくとも己のニタニタした綻びが分かる。
なんと愉快なことだろう。しみったれた世間が眼下に降っていく。私を下した世間が、今は私の足裏にひざまづいている。なんとも言えない高揚に胸がきゅうきゅう高鳴り、世界は薄っぺらに、矮小に、ついには真っ赤な線一本だけになって、それから真っ黒になった。
真っ暗でも皮膚の逆立ちで重力が分かる。惑星が私を引き止めようとしても、もはや無駄だ。いつの間にか胃痛も治まって、気怠いじめじめとした蒸し暑さもない。皮膚の逆立ちだけが感覚を支配する。
やがて膨らみきってツルツルになったら、唯一残った肌の感覚さえも失われるのだろうか。それもいい。そうしよう。そうあるべきだ。
もはや何も感じない。ただ思考のみが残った。しかし思考は五感と違っていつまでも明晰であることをやめてはくれない。ぼんやりとした霧散を望んでも、なんと澄み渡っていることだろう。
ああ、これが地獄か。
0026風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:19:30.35ID:7+kLJc8qd
酒が切れたから死のうと思った。
土塊色の眼窩に諦念を溜めて、眼差しも気遣わずぶらぶらと道路へ出る。そういえばタンクトップの黄色い染みはなんだったか。ああ、先日こぼしたインスタントラーメンか。いや、また別の日に引っ付けた吐瀉物の跳ね返りだったか。
坂の上から目を刺す西陽は、ぽつぽつと向かってくる真っ黒い影に後光を飾りながらその面を隠し気味が悪い。いやいっそ誂え向きだろう、これから何もかも放り出して黄泉へ逃げ込むのだから。
焼けた銅でも飲まされて舌でも抜かれるのかなぁなどとぼんやりしていたら、真っ黒い影の一つがうねうねと波打って見える。ちょうど胃痛に耐えていたところ、眼鏡の置き忘れに気づき「どおりで」と刹那に納得した。このまま死ぬのだから眼鏡などどうだっていいだろう。
繰言から注意を戻し、影の頭が一瞬前よりわずかに大きく見えてもなお理由をつけてぶつぶつと納得していたが、変化に加速度を感じた時、情緒的なぐずぐずした妄想は吹き飛んだ。
あたまが膨らんでいるのではないか。あれは3つの影の一番後方、あれに気づいているのは私だけか。
みるみる膨張してついには遠景で拳大になった真っ暗な頭部は、赤い西陽に目が慣れてもなお真っ黒で、それはそもそも真っ黒だった。
細い身体がゆっくりと地面を離れ、浮いていく。前2つの影もいつの間にか頭が膨らんでいて、ゆっくりと浮かんでいく。一番前の影は魚眼レンズで接写したような笑みを浮かべていた。
ついに世界がぶっ壊れたか。坂も塀ものっぺりと横長に伸びていって、西陽などは蛙の黒目のようだ。鏡など見なくとも己のニタニタした綻びが分かる。
なんと愉快なことだろう。しみったれた世間が眼下に降っていく。私を下した世間が、今は私の足裏にひざまづいている。なんとも言えない高揚に胸がきゅうきゅう高鳴り、世界は薄っぺらに、矮小に、ついには真っ赤な線一本だけになって、それから真っ黒になった。
真っ暗でも皮膚の逆立ちで重力が分かる。惑星が私を引き止めようとしても、もはや無駄だ。いつの間にか胃痛も治まって、気怠いじめじめとした蒸し暑さもない。皮膚の逆立ちだけが感覚を支配する。
やがて膨らみきってツルツルになったら、唯一残った肌の感覚さえも失われるのだろうか。それもいい。そうしよう。そうあるべきだ。
もはや何も感じない。ただ思考のみが残った。しかし思考は五感と違っていつまでも明晰であることをやめてはくれない。ぼんやりとした霧散を望んでも、なんと澄み渡っていることだろう。
ああ、これが地獄か。
0027風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:19:32.10ID:7+kLJc8qd
酒が切れたから死のうと思った。
土塊色の眼窩に諦念を溜めて、眼差しも気遣わずぶらぶらと道路へ出る。そういえばタンクトップの黄色い染みはなんだったか。ああ、先日こぼしたインスタントラーメンか。いや、また別の日に引っ付けた吐瀉物の跳ね返りだったか。
坂の上から目を刺す西陽は、ぽつぽつと向かってくる真っ黒い影に後光を飾りながらその面を隠し気味が悪い。いやいっそ誂え向きだろう、これから何もかも放り出して黄泉へ逃げ込むのだから。
焼けた銅でも飲まされて舌でも抜かれるのかなぁなどとぼんやりしていたら、真っ黒い影の一つがうねうねと波打って見える。ちょうど胃痛に耐えていたところ、眼鏡の置き忘れに気づき「どおりで」と刹那に納得した。このまま死ぬのだから眼鏡などどうだっていいだろう。
繰言から注意を戻し、影の頭が一瞬前よりわずかに大きく見えてもなお理由をつけてぶつぶつと納得していたが、変化に加速度を感じた時、情緒的なぐずぐずした妄想は吹き飛んだ。
あたまが膨らんでいるのではないか。あれは3つの影の一番後方、あれに気づいているのは私だけか。
みるみる膨張してついには遠景で拳大になった真っ暗な頭部は、赤い西陽に目が慣れてもなお真っ黒で、それはそもそも真っ黒だった。
細い身体がゆっくりと地面を離れ、浮いていく。前2つの影もいつの間にか頭が膨らんでいて、ゆっくりと浮かんでいく。一番前の影は魚眼レンズで接写したような笑みを浮かべていた。
ついに世界がぶっ壊れたか。坂も塀ものっぺりと横長に伸びていって、西陽などは蛙の黒目のようだ。鏡など見なくとも己のニタニタした綻びが分かる。
なんと愉快なことだろう。しみったれた世間が眼下に降っていく。私を下した世間が、今は私の足裏にひざまづいている。なんとも言えない高揚に胸がきゅうきゅう高鳴り、世界は薄っぺらに、矮小に、ついには真っ赤な線一本だけになって、それから真っ黒になった。
真っ暗でも皮膚の逆立ちで重力が分かる。惑星が私を引き止めようとしても、もはや無駄だ。いつの間にか胃痛も治まって、気怠いじめじめとした蒸し暑さもない。皮膚の逆立ちだけが感覚を支配する。
やがて膨らみきってツルツルになったら、唯一残った肌の感覚さえも失われるのだろうか。それもいい。そうしよう。そうあるべきだ。
もはや何も感じない。ただ思考のみが残った。しかし思考は五感と違っていつまでも明晰であることをやめてはくれない。ぼんやりとした霧散を望んでも、なんと澄み渡っていることだろう。
ああ、これが地獄か。
0028風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:19:34.04ID:7+kLJc8qd
酒が切れたから死のうと思った。
土塊色の眼窩に諦念を溜めて、眼差しも気遣わずぶらぶらと道路へ出る。そういえばタンクトップの黄色い染みはなんだったか。ああ、先日こぼしたインスタントラーメンか。いや、また別の日に引っ付けた吐瀉物の跳ね返りだったか。
坂の上から目を刺す西陽は、ぽつぽつと向かってくる真っ黒い影に後光を飾りながらその面を隠し気味が悪い。いやいっそ誂え向きだろう、これから何もかも放り出して黄泉へ逃げ込むのだから。
焼けた銅でも飲まされて舌でも抜かれるのかなぁなどとぼんやりしていたら、真っ黒い影の一つがうねうねと波打って見える。ちょうど胃痛に耐えていたところ、眼鏡の置き忘れに気づき「どおりで」と刹那に納得した。このまま死ぬのだから眼鏡などどうだっていいだろう。
繰言から注意を戻し、影の頭が一瞬前よりわずかに大きく見えてもなお理由をつけてぶつぶつと納得していたが、変化に加速度を感じた時、情緒的なぐずぐずした妄想は吹き飛んだ。
あたまが膨らんでいるのではないか。あれは3つの影の一番後方、あれに気づいているのは私だけか。
みるみる膨張してついには遠景で拳大になった真っ暗な頭部は、赤い西陽に目が慣れてもなお真っ黒で、それはそもそも真っ黒だった。
細い身体がゆっくりと地面を離れ、浮いていく。前2つの影もいつの間にか頭が膨らんでいて、ゆっくりと浮かんでいく。一番前の影は魚眼レンズで接写したような笑みを浮かべていた。
ついに世界がぶっ壊れたか。坂も塀ものっぺりと横長に伸びていって、西陽などは蛙の黒目のようだ。鏡など見なくとも己のニタニタした綻びが分かる。
なんと愉快なことだろう。しみったれた世間が眼下に降っていく。私を下した世間が、今は私の足裏にひざまづいている。なんとも言えない高揚に胸がきゅうきゅう高鳴り、世界は薄っぺらに、矮小に、ついには真っ赤な線一本だけになって、それから真っ黒になった。
真っ暗でも皮膚の逆立ちで重力が分かる。惑星が私を引き止めようとしても、もはや無駄だ。いつの間にか胃痛も治まって、気怠いじめじめとした蒸し暑さもない。皮膚の逆立ちだけが感覚を支配する。
やがて膨らみきってツルツルになったら、唯一残った肌の感覚さえも失われるのだろうか。それもいい。そうしよう。そうあるべきだ。
もはや何も感じない。ただ思考のみが残った。しかし思考は五感と違っていつまでも明晰であることをやめてはくれない。ぼんやりとした霧散を望んでも、なんと澄み渡っていることだろう。
ああ、これが地獄か。
0029風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:19:42.00ID:gGpJUqlfd
酒が切れたから死のうと思った。
土塊色の眼窩に諦念を溜めて、眼差しも気遣わずぶらぶらと道路へ出る。そういえばタンクトップの黄色い染みはなんだったか。ああ、先日こぼしたインスタントラーメンか。いや、また別の日に引っ付けた吐瀉物の跳ね返りだったか。
坂の上から目を刺す西陽は、ぽつぽつと向かってくる真っ黒い影に後光を飾りながらその面を隠し気味が悪い。いやいっそ誂え向きだろう、これから何もかも放り出して黄泉へ逃げ込むのだから。
焼けた銅でも飲まされて舌でも抜かれるのかなぁなどとぼんやりしていたら、真っ黒い影の一つがうねうねと波打って見える。ちょうど胃痛に耐えていたところ、眼鏡の置き忘れに気づき「どおりで」と刹那に納得した。このまま死ぬのだから眼鏡などどうだっていいだろう。
繰言から注意を戻し、影の頭が一瞬前よりわずかに大きく見えてもなお理由をつけてぶつぶつと納得していたが、変化に加速度を感じた時、情緒的なぐずぐずした妄想は吹き飛んだ。
あたまが膨らんでいるのではないか。あれは3つの影の一番後方、あれに気づいているのは私だけか。
みるみる膨張してついには遠景で拳大になった真っ暗な頭部は、赤い西陽に目が慣れてもなお真っ黒で、それはそもそも真っ黒だった。
細い身体がゆっくりと地面を離れ、浮いていく。前2つの影もいつの間にか頭が膨らんでいて、ゆっくりと浮かんでいく。一番前の影は魚眼レンズで接写したような笑みを浮かべていた。
ついに世界がぶっ壊れたか。坂も塀ものっぺりと横長に伸びていって、西陽などは蛙の黒目のようだ。鏡など見なくとも己のニタニタした綻びが分かる。
なんと愉快なことだろう。しみったれた世間が眼下に降っていく。私を下した世間が、今は私の足裏にひざまづいている。なんとも言えない高揚に胸がきゅうきゅう高鳴り、世界は薄っぺらに、矮小に、ついには真っ赤な線一本だけになって、それから真っ黒になった。
真っ暗でも皮膚の逆立ちで重力が分かる。惑星が私を引き止めようとしても、もはや無駄だ。いつの間にか胃痛も治まって、気怠いじめじめとした蒸し暑さもない。皮膚の逆立ちだけが感覚を支配する。
やがて膨らみきってツルツルになったら、唯一残った肌の感覚さえも失われるのだろうか。それもいい。そうしよう。そうあるべきだ。
もはや何も感じない。ただ思考のみが残った。しかし思考は五感と違っていつまでも明晰であることをやめてはくれない。ぼんやりとした霧散を望んでも、なんと澄み渡っていることだろう。
ああ、これが地獄か。
0030風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:19:43.60ID:gGpJUqlfd
酒が切れたから死のうと思った。
土塊色の眼窩に諦念を溜めて、眼差しも気遣わずぶらぶらと道路へ出る。そういえばタンクトップの黄色い染みはなんだったか。ああ、先日こぼしたインスタントラーメンか。いや、また別の日に引っ付けた吐瀉物の跳ね返りだったか。
坂の上から目を刺す西陽は、ぽつぽつと向かってくる真っ黒い影に後光を飾りながらその面を隠し気味が悪い。いやいっそ誂え向きだろう、これから何もかも放り出して黄泉へ逃げ込むのだから。
焼けた銅でも飲まされて舌でも抜かれるのかなぁなどとぼんやりしていたら、真っ黒い影の一つがうねうねと波打って見える。ちょうど胃痛に耐えていたところ、眼鏡の置き忘れに気づき「どおりで」と刹那に納得した。このまま死ぬのだから眼鏡などどうだっていいだろう。
繰言から注意を戻し、影の頭が一瞬前よりわずかに大きく見えてもなお理由をつけてぶつぶつと納得していたが、変化に加速度を感じた時、情緒的なぐずぐずした妄想は吹き飛んだ。
あたまが膨らんでいるのではないか。あれは3つの影の一番後方、あれに気づいているのは私だけか。
みるみる膨張してついには遠景で拳大になった真っ暗な頭部は、赤い西陽に目が慣れてもなお真っ黒で、それはそもそも真っ黒だった。
細い身体がゆっくりと地面を離れ、浮いていく。前2つの影もいつの間にか頭が膨らんでいて、ゆっくりと浮かんでいく。一番前の影は魚眼レンズで接写したような笑みを浮かべていた。
ついに世界がぶっ壊れたか。坂も塀ものっぺりと横長に伸びていって、西陽などは蛙の黒目のようだ。鏡など見なくとも己のニタニタした綻びが分かる。
なんと愉快なことだろう。しみったれた世間が眼下に降っていく。私を下した世間が、今は私の足裏にひざまづいている。なんとも言えない高揚に胸がきゅうきゅう高鳴り、世界は薄っぺらに、矮小に、ついには真っ赤な線一本だけになって、それから真っ黒になった。
真っ暗でも皮膚の逆立ちで重力が分かる。惑星が私を引き止めようとしても、もはや無駄だ。いつの間にか胃痛も治まって、気怠いじめじめとした蒸し暑さもない。皮膚の逆立ちだけが感覚を支配する。
やがて膨らみきってツルツルになったら、唯一残った肌の感覚さえも失われるのだろうか。それもいい。そうしよう。そうあるべきだ。
もはや何も感じない。ただ思考のみが残った。しかし思考は五感と違っていつまでも明晰であることをやめてはくれない。ぼんやりとした霧散を望んでも、なんと澄み渡っていることだろう。
ああ、これが地獄か。
0031風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:19:45.68ID:gGpJUqlfd
酒が切れたから死のうと思った。
土塊色の眼窩に諦念を溜めて、眼差しも気遣わずぶらぶらと道路へ出る。そういえばタンクトップの黄色い染みはなんだったか。ああ、先日こぼしたインスタントラーメンか。いや、また別の日に引っ付けた吐瀉物の跳ね返りだったか。
坂の上から目を刺す西陽は、ぽつぽつと向かってくる真っ黒い影に後光を飾りながらその面を隠し気味が悪い。いやいっそ誂え向きだろう、これから何もかも放り出して黄泉へ逃げ込むのだから。
焼けた銅でも飲まされて舌でも抜かれるのかなぁなどとぼんやりしていたら、真っ黒い影の一つがうねうねと波打って見える。ちょうど胃痛に耐えていたところ、眼鏡の置き忘れに気づき「どおりで」と刹那に納得した。このまま死ぬのだから眼鏡などどうだっていいだろう。
繰言から注意を戻し、影の頭が一瞬前よりわずかに大きく見えてもなお理由をつけてぶつぶつと納得していたが、変化に加速度を感じた時、情緒的なぐずぐずした妄想は吹き飛んだ。
あたまが膨らんでいるのではないか。あれは3つの影の一番後方、あれに気づいているのは私だけか。
みるみる膨張してついには遠景で拳大になった真っ暗な頭部は、赤い西陽に目が慣れてもなお真っ黒で、それはそもそも真っ黒だった。
細い身体がゆっくりと地面を離れ、浮いていく。前2つの影もいつの間にか頭が膨らんでいて、ゆっくりと浮かんでいく。一番前の影は魚眼レンズで接写したような笑みを浮かべていた。
ついに世界がぶっ壊れたか。坂も塀ものっぺりと横長に伸びていって、西陽などは蛙の黒目のようだ。鏡など見なくとも己のニタニタした綻びが分かる。
なんと愉快なことだろう。しみったれた世間が眼下に降っていく。私を下した世間が、今は私の足裏にひざまづいている。なんとも言えない高揚に胸がきゅうきゅう高鳴り、世界は薄っぺらに、矮小に、ついには真っ赤な線一本だけになって、それから真っ黒になった。
真っ暗でも皮膚の逆立ちで重力が分かる。惑星が私を引き止めようとしても、もはや無駄だ。いつの間にか胃痛も治まって、気怠いじめじめとした蒸し暑さもない。皮膚の逆立ちだけが感覚を支配する。
やがて膨らみきってツルツルになったら、唯一残った肌の感覚さえも失われるのだろうか。それもいい。そうしよう。そうあるべきだ。
もはや何も感じない。ただ思考のみが残った。しかし思考は五感と違っていつまでも明晰であることをやめてはくれない。ぼんやりとした霧散を望んでも、なんと澄み渡っていることだろう。
ああ、これが地獄か。
0032風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:19:53.04ID:OD0GZ6Qtd
酒が切れたから死のうと思った。
土塊色の眼窩に諦念を溜めて、眼差しも気遣わずぶらぶらと道路へ出る。そういえばタンクトップの黄色い染みはなんだったか。ああ、先日こぼしたインスタントラーメンか。いや、また別の日に引っ付けた吐瀉物の跳ね返りだったか。
坂の上から目を刺す西陽は、ぽつぽつと向かってくる真っ黒い影に後光を飾りながらその面を隠し気味が悪い。いやいっそ誂え向きだろう、これから何もかも放り出して黄泉へ逃げ込むのだから。
焼けた銅でも飲まされて舌でも抜かれるのかなぁなどとぼんやりしていたら、真っ黒い影の一つがうねうねと波打って見える。ちょうど胃痛に耐えていたところ、眼鏡の置き忘れに気づき「どおりで」と刹那に納得した。このまま死ぬのだから眼鏡などどうだっていいだろう。
繰言から注意を戻し、影の頭が一瞬前よりわずかに大きく見えてもなお理由をつけてぶつぶつと納得していたが、変化に加速度を感じた時、情緒的なぐずぐずした妄想は吹き飛んだ。
あたまが膨らんでいるのではないか。あれは3つの影の一番後方、あれに気づいているのは私だけか。
みるみる膨張してついには遠景で拳大になった真っ暗な頭部は、赤い西陽に目が慣れてもなお真っ黒で、それはそもそも真っ黒だった。
細い身体がゆっくりと地面を離れ、浮いていく。前2つの影もいつの間にか頭が膨らんでいて、ゆっくりと浮かんでいく。一番前の影は魚眼レンズで接写したような笑みを浮かべていた。
ついに世界がぶっ壊れたか。坂も塀ものっぺりと横長に伸びていって、西陽などは蛙の黒目のようだ。鏡など見なくとも己のニタニタした綻びが分かる。
なんと愉快なことだろう。しみったれた世間が眼下に降っていく。私を下した世間が、今は私の足裏にひざまづいている。なんとも言えない高揚に胸がきゅうきゅう高鳴り、世界は薄っぺらに、矮小に、ついには真っ赤な線一本だけになって、それから真っ黒になった。
真っ暗でも皮膚の逆立ちで重力が分かる。惑星が私を引き止めようとしても、もはや無駄だ。いつの間にか胃痛も治まって、気怠いじめじめとした蒸し暑さもない。皮膚の逆立ちだけが感覚を支配する。
やがて膨らみきってツルツルになったら、唯一残った肌の感覚さえも失われるのだろうか。それもいい。そうしよう。そうあるべきだ。
もはや何も感じない。ただ思考のみが残った。しかし思考は五感と違っていつまでも明晰であることをやめてはくれない。ぼんやりとした霧散を望んでも、なんと澄み渡っていることだろう。
ああ、これが地獄か。
0033風吹けば名無し
垢版 |
2023/09/12(火) 18:19:54.68ID:OD0GZ6Qtd
酒が切れたから死のうと思った。
土塊色の眼窩に諦念を溜めて、眼差しも気遣わずぶらぶらと道路へ出る。そういえばタンクトップの黄色い染みはなんだったか。ああ、先日こぼしたインスタントラーメンか。いや、また別の日に引っ付けた吐瀉物の跳ね返りだったか。
坂の上から目を刺す西陽は、ぽつぽつと向かってくる真っ黒い影に後光を飾りながらその面を隠し気味が悪い。いやいっそ誂え向きだろう、これから何もかも放り出して黄泉へ逃げ込むのだから。
焼けた銅でも飲まされて舌でも抜かれるのかなぁなどとぼんやりしていたら、真っ黒い影の一つがうねうねと波打って見える。ちょうど胃痛に耐えていたところ、眼鏡の置き忘れに気づき「どおりで」と刹那に納得した。このまま死ぬのだから眼鏡などどうだっていいだろう。
繰言から注意を戻し、影の頭が一瞬前よりわずかに大きく見えてもなお理由をつけてぶつぶつと納得していたが、変化に加速度を感じた時、情緒的なぐずぐずした妄想は吹き飛んだ。
あたまが膨らんでいるのではないか。あれは3つの影の一番後方、あれに気づいているのは私だけか。
みるみる膨張してついには遠景で拳大になった真っ暗な頭部は、赤い西陽に目が慣れてもなお真っ黒で、それはそもそも真っ黒だった。
細い身体がゆっくりと地面を離れ、浮いていく。前2つの影もいつの間にか頭が膨らんでいて、ゆっくりと浮かんでいく。一番前の影は魚眼レンズで接写したような笑みを浮かべていた。
ついに世界がぶっ壊れたか。坂も塀ものっぺりと横長に伸びていって、西陽などは蛙の黒目のようだ。鏡など見なくとも己のニタニタした綻びが分かる。
なんと愉快なことだろう。しみったれた世間が眼下に降っていく。私を下した世間が、今は私の足裏にひざまづいている。なんとも言えない高揚に胸がきゅうきゅう高鳴り、世界は薄っぺらに、矮小に、ついには真っ赤な線一本だけになって、それから真っ黒になった。
真っ暗でも皮膚の逆立ちで重力が分かる。惑星が私を引き止めようとしても、もはや無駄だ。いつの間にか胃痛も治まって、気怠いじめじめとした蒸し暑さもない。皮膚の逆立ちだけが感覚を支配する。
やがて膨らみきってツルツルになったら、唯一残った肌の感覚さえも失われるのだろうか。それもいい。そうしよう。そうあるべきだ。
もはや何も感じない。ただ思考のみが残った。しかし思考は五感と違っていつまでも明晰であることをやめてはくれない。ぼんやりとした霧散を望んでも、なんと澄み渡っていることだろう。
ああ、これが地獄か。
0034風吹けば名無し
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2023/09/12(火) 18:19:56.24ID:OD0GZ6Qtd
酒が切れたから死のうと思った。
土塊色の眼窩に諦念を溜めて、眼差しも気遣わずぶらぶらと道路へ出る。そういえばタンクトップの黄色い染みはなんだったか。ああ、先日こぼしたインスタントラーメンか。いや、また別の日に引っ付けた吐瀉物の跳ね返りだったか。
坂の上から目を刺す西陽は、ぽつぽつと向かってくる真っ黒い影に後光を飾りながらその面を隠し気味が悪い。いやいっそ誂え向きだろう、これから何もかも放り出して黄泉へ逃げ込むのだから。
焼けた銅でも飲まされて舌でも抜かれるのかなぁなどとぼんやりしていたら、真っ黒い影の一つがうねうねと波打って見える。ちょうど胃痛に耐えていたところ、眼鏡の置き忘れに気づき「どおりで」と刹那に納得した。このまま死ぬのだから眼鏡などどうだっていいだろう。
繰言から注意を戻し、影の頭が一瞬前よりわずかに大きく見えてもなお理由をつけてぶつぶつと納得していたが、変化に加速度を感じた時、情緒的なぐずぐずした妄想は吹き飛んだ。
あたまが膨らんでいるのではないか。あれは3つの影の一番後方、あれに気づいているのは私だけか。
みるみる膨張してついには遠景で拳大になった真っ暗な頭部は、赤い西陽に目が慣れてもなお真っ黒で、それはそもそも真っ黒だった。
細い身体がゆっくりと地面を離れ、浮いていく。前2つの影もいつの間にか頭が膨らんでいて、ゆっくりと浮かんでいく。一番前の影は魚眼レンズで接写したような笑みを浮かべていた。
ついに世界がぶっ壊れたか。坂も塀ものっぺりと横長に伸びていって、西陽などは蛙の黒目のようだ。鏡など見なくとも己のニタニタした綻びが分かる。
なんと愉快なことだろう。しみったれた世間が眼下に降っていく。私を下した世間が、今は私の足裏にひざまづいている。なんとも言えない高揚に胸がきゅうきゅう高鳴り、世界は薄っぺらに、矮小に、ついには真っ赤な線一本だけになって、それから真っ黒になった。
真っ暗でも皮膚の逆立ちで重力が分かる。惑星が私を引き止めようとしても、もはや無駄だ。いつの間にか胃痛も治まって、気怠いじめじめとした蒸し暑さもない。皮膚の逆立ちだけが感覚を支配する。
やがて膨らみきってツルツルになったら、唯一残った肌の感覚さえも失われるのだろうか。それもいい。そうしよう。そうあるべきだ。
もはや何も感じない。ただ思考のみが残った。しかし思考は五感と違っていつまでも明晰であることをやめてはくれない。ぼんやりとした霧散を望んでも、なんと澄み渡っていることだろう。
ああ、これが地獄か。
0035風吹けば名無し
垢版 |
2023/09/12(火) 18:21:09.05ID:OD0GZ6Qtd
またくだらないスレで終わっちゃったね🤣
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