U―15日本代表を中国共産党機関紙が〝政治利用〟 入国審査を異例報道

中国共産党機関紙が、同国の青島で開催されるU―15東アジア選手権に参加するU―15日本代表について異例の報道を行った。

東京電力福島第1原発処理水の放出を受けて中国で反日感情が高まりを見せる中、同国サッカー1部の青島―長春戦で多くの中国人ファンが「小日本」という日本に対する侮蔑用語を使いながら大合唱したことが物議を醸している。そうした騒動の渦中にある青島に、U―15日本代表は29日から滞在しているが、ピッチ外でも注目を集めている。

中国共産党山東省党委員会の機関紙「山東法制報」が、U―15日本代表の入国時の様子を写真を掲載しながら詳細に報道したのだ。

「青島空港国境検査所は、東アジアサッカー選手権大会のために、選手のスムーズな通関を確保するために全力を尽くしている」と強調した上で、U―15日本代表の入国の様子についてこう続ける。「東アジアサッカー選手権に参加する選手や関係者のグループが、青島空港に到着。この状況を知った青島空港出入国管理警察、山東省出入国在留管理署は率先して行動を起こし、指導を強化。警察のバックアップ部隊を組織して、追加の通関ゲートを開設して、通関保証を完了した。高品質かつ効率的に作業した」

U―15日本代表のために各機関の警察を集合させてまで〝特別待遇〟で入国対応を実施したと強調したのだ。

報じたのが中国共産党の機関紙だけに、処理水の放出を巡って反日感情が高まる中で、中国当局はあくまでも日本に対して真摯に対応しているとの〝アピール〟なのか。青島で日本の有望株たちが見せる戦いとともに、ピッチ外の動向も注目を集めそうだ。