遠い月が浮かんだので、そろそろいこうか
燃え盛る夕暮れはとうに飲み込んでしまったよ

往来の人々は、楽しそうにりんご飴やら何やらを持って皆同じところへ向かうようだ
僕らは、それを横切って駅へ向かう、初めて東京に出たときは、その盛況具合にとても驚いた

駅員さんは、切符を切るどころか、それを飲み込んでしまったけれど、通行は許可してくれた
そして切符を返してくれた

列車を待つ少しの間、僕らは将来どうなりたいとかについて話そうとしたけど、すぐにそれはぼくらを迎えに来てくれた

揺れる車内には、僕らしかいなかった

ほら、花火が浮かんでいるでしょう

僕はなんだかすごく悲しくなって、だまってうなずくことしかできなかった
たしかに、窓のそとの向こうの景色には、色とりどりの花がたくさん咲いていて、それが嘘のように綺麗につぎつぎ散っていんだ

それでもぼくらは往くんだよ
「うん、きっとそう」
貴方はただ笑うばかりで、開けた窓から顔をだしていた

この先は書いてないけどどうなん?