同社が最初に損保各社に提出した報告書は抜粋版で、これらの行為や証言は省かれていた。損保大手が同社に原本を出すよう強く求め、再提出された原本に記載されていた。ビッグモーターの不正請求が組織ぐるみで、調査報告でも隠ぺい工作をしていた疑いが強まった。

報告書の原本には、ゴルフボールを靴下に入れて振り回し車体をたたいてへこませたり、バンパーを力づくで押し込むなどしてフェンダーを傷つけたり、ヘッドライトカバーをわざと壊したりしていた調査内容が盛り込まれていた。同社では顧客の車を故意に壊し、修理費が余計にかかったことにする手口で、保険金を損保各社に水増し請求していた。

ビッグモーターは損保各社に対し、「省いてもいいものだと思った」などと釈明したという。