安倍晋三元首相が奈良市内で街頭演説中に銃撃され死亡した事件から、8日で1年となった。
殺人や銃刀法違反などの罪で起訴された無職山上徹也被告(42)の初公判は、来年以降となる可能性が高く、日程の見通しは立っていない。

 憲政史上最長となる通算8年8カ月にわたって首相を務めた安倍氏が凶弾に倒れた事件の全容解明は、長期化が避けられない見通しだ。

 起訴状などによると、山上被告は昨年7月8日、奈良市の近鉄大和西大寺駅前の路上で、参院選の演説応援をしていた安倍氏に向けて至近距離から手製のパイプ銃を2回発射し殺害。
2020年12月20日から事件までに、奈良市内の自宅で手製銃6丁を無許可で製造したなどとされる。

 山上被告は、事件直後の奈良県警の調べに「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に恨みがあり、安倍氏が(旧統一教会と)つながりがあると思った」などと供述。
奈良地検は、約5カ月半にわたる鑑定留置で精神鑑定などを実施した上で、刑事責任を問えると判断し起訴した。
公判は、裁判員裁判で審理される見通し。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2023070700662&g=soc