事例:清掃会社の新入社員がすぐ辞めたワケ
 清掃会社(500人)に新卒として入社した男性(仮名・田上俊行、23歳)は、4月の研修で精神的に滅入ってしまった。
会社が受注する清掃の仕事は、年間数百件。大半は役所や公的機関、ビル、マンション、ホール、スポーツジム、サウナの清掃だ。

 1か月間の研修では、そのうちの10件ほどを新入社員12人で対応した。
人事部員や先輩社員のマンツーマン指導のもと、掃除をするのだが、しかし、あるサウナには、排水溝付近にごってりしたウンチがあった。

 田上は、耐えられなかった。怒りと不満をこらえきれないためにスマホで撮影し、同期生12人全員と人事部員、12人の配属部署の上司を含めて計25人程が参加するLINEのグループに流した。
「僕は、こんなウンチを掃除しているんですよ。サウナにウンチがあるなんて衛生上、問題!」。

「掃除はできません」サウナに汚物が
 誰も反応しない。田上はまた書いて、「ウンチ、ウンチ……」と食い下がった。人事部員は翌日、口頭で注意をした。田上は言い返す。
「仕事を請け負っていても、ウンチを排水溝付近ですることにこそ問題がある、とサウナの運営会社に言うべきです!」

 あまりの正論に、人事部員は何も答えられない。田上は、しだいに浮いた存在になる。1か月の研修を終え、配属されたビルで1週間勤務した後、辞めた。
人事部員にこう言い放った。「あんなウンチを掃除はできませんよ」……男性の送別会はなかった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/91f62a404d8a37816ffe287725459d0aae13354d