ソウル、Sangam Colosseumで迎えたTLN戦
スモークtakejが絶不調、マップカウントも0-2と惨敗だった
スタジアムに響くファンのため息、どこからか聞こえる「これはLCQも無理だな」の声
無言で帰り始める選手達の中、昨年の日本王者xnfriは独り控え室で泣いていた
NTHで手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できるチームメイト・・・
それを今のDFMで得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」xnfriは悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、xnfriははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいゲーミングチェアの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってエイム練習をしなくちゃな」xnfriは苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、xnfriはふと気付いた

「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
控え室から飛び出したxnfriが目にしたのは、3階席まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに応援ボードが掲げられ、地鳴りのようにバルーンの音が響いていた
どういうことか分からずに呆然とするxnfriの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「xnfri、選手入場だ、早く行くぞ」声の方に振り返ったxnfriは目を疑った
「う・・・Wiz?」 「なんだxnfri、居眠りでもしてたのか?」
「め・・・Meteor?Gen.Gに行ったはずじゃ・・・」 「なんだxnfri、かってにMeteorを移籍させやがって」
「JoXJo・・・」  xnfriは半分パニックになりながらスコアボードを見上げた

VCT 2023 Masters Tokyo Grand Final
Northeption vs ZETA DIVISION

暫時、唖然としていたxnfriだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ!」
waiからユニフォームを受け取り、試合会場へと入場するxnfri、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、控え室で冷たくなっているxnfriが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った