勇者「この扉の向こうに大魔王が…!よしいくぞ!魔王覚悟!!」女魔法使い「リレミト」
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勇者「……え?」
女魔法使い「………」
勇者「え、いやいや…あ、あれ?おま…」
女魔法使い「ん?」
勇者「今、リレミトしたよね?なにしてんの?お前」
女魔法使い「…え?ああ、いやあ…、あぶないところでしたね」
勇者「…え?何が?」 女魔法使い「いやだって、道具袋みてくださいよ…薬草が切らしてますよ…、
あのまま魔王と戦ってたらヤバかったですよ…、街に戻って買い出しにいかないと」
勇者「ええ…、いや…そんなん序盤のダンジョンじゃないんだから…、薬草なんか、もう中盤以降使ってないでしょ…、
俺毎ターン自動回復するし、お前も回復魔法使えるし…」
女魔法使い「ん…、ああ、そうでしたっけ?けど、毒消しとかエーテルとかもないし…」
勇者「いやなにいまさら…、そんな序盤に使う道具今や必要ないじゃん…、
ほら、バカなこと言ってないで、もう一回、魔王城入るぞ!」
女魔法使い「…ああ、はいはい」 3時間後
魔王の部屋の前
勇者「はあ、はあ…ようやくもう一度ついたな…、よし、今度こそ魔王に挑むぞ…!
そして世界に平和にするんだ!いくぞ!!」
女魔法使い「リレミト」
フィールド
勇者「………」
女魔法使い「…………」 勇者「…え、いやいやいや…だから何してん?何してんのお前…?」
女魔法使い「うーん、勇者さんさあ…わたし思ったんだけど、ちょっと私達の装備品、
魔王に挑むのには心もとない感じしません?」
勇者「いやしないけど」
勇者「俺の装備、伝説の剣に伝説の鎧とかすごいやつだし…敵の攻撃うけてもそこまで痛くないし…」
女魔法使い「ああそう…」 女魔法使い「いや、そんじゃ勇者さんはいいかもしれませんけど…、私の装備みてくださいよほら…
このみすぼらしいローブにこの杖」
勇者「え…、いやお前のそれ、あれじゃん…、なんだっけ?エルフの凄い人に無理やり夜なべさせて作ってもらったやつじゃん……、それ着てるとくっそ魔力あがってるじゃん。
知ってんぞおい…、敵の炎とか精神攻撃とかも平気じゃん」
女魔法使い「うーん…けど、この装備だと敵におもっくそ殴られたときとかに、
たまにチクッってするんですよね」
勇者「十分じゃね?何それ俺の伝説のやつよりめっちゃ防御力あるやん?
それ以上ないくらいいい装備じゃん」
女魔法使い「ううん…けど」
勇者「ほら、バカなこといってないでとっとと行くぞほら!」
女魔法使い「はあ……」 魔王の部屋の前
勇者「はあ…はあ…流石に一日に3回もここまで来るのしんどいな…、
だが…これでもう最後だ!いくぞ!魔王覚悟!」
女魔法使い「リレミト」
フィールド
勇者「いやなんなんお前マジで!」
女魔法使い「勇者さん…これあれですわ…レベルあげしなきゃですね」
勇者「急になに!?」 女魔法使い「だって相手は魔王ですよ?挑むにはちょっとレベルが足りなくないですか?」
勇者「いやなに言ってんだよ俺もうレベル300だぞ!魔王倒す攻略水準40〜50くらいなのに!
お前だって俺と同じくらいだろ!?今レベルいくつだよ!いってみろ!」
女魔法使い「いや、1200くらいですけど」
勇者「なんで知らない間にそんなレベルあげてんだ!なめてんのか!」 勇者「ほんといい加減にしろよ!お前と2人で魔王倒す旅をして、何年も頑張ってきたじゃないか!」
女魔法使い「いや…まあ…それはそうなんですけど…」
勇者「魔王を倒せば、この旅の目的は果たされるんだぞ!ほら、いくぞ!」
女魔法使い「……」 魔王の部屋
勇者「よし、こんどこそ…」
女魔法使い「あ、あの…ゆ、勇者さん!」
勇者「あん!?」
女魔法使い「勇者さんは…そのぉ…、魔王を倒した後のことって…、
何か、考えてるんですか?」
勇者「え…、いやそりゃ…、まあ…普通に帰るよ…故郷に…」
女魔法使い「へ…へえ…、そうですか…」
女魔法使い「まあ、確かに旅の間も、何度か言ってましたもんね…故郷に待っている人がいるって…」
勇者「いやまあ…」 女魔法使い「まあ、そりゃあそうですよね…、はやく魔王倒してそのカキタレとかましたいですよね…」
勇者「いやなにその言いかた!お前俺のことバカにしてんのか!そんな下品な相手じゃないから!」
女魔法使い「そ、そうですか…てことはやっぱり…彼女…とか」
勇者「違うよ!家族だよ家族!いもーとだよ、いもーと!」 女魔法使い「え、い、妹…?」
勇者「そうだよ…何勘違いしてんだよ…、おれ、故郷帰っても彼女とかいないし…」
女魔法使い「へ、へえ…そ、そうですか…妹、ですか、へえ…そうですか…」
女魔法使い「………へえ…そうか…妹か…ふーん」
勇者「………」
勇者「…まあ確かに、血こそつながってない義理の妹だけど…けど、昔からホントの家族のように」
女魔法使い「リレミト」 フィールド
勇者「ほんと何なのお前!」
女魔法使い「はは…まあそりゃ、義妹とフラグたってりゃ、
はよ魔王倒して故郷帰りたいですわな…はん」
勇者「いや一体なんの話だよ!意味わかんないんだけど!」
女魔法使い「ああ!勇者さん!私、怖い!怖いの!!」
勇者「急に何!?」 女魔法使い「いやなんかもう…、魔王に挑むのか急に怖くなってしまって…
すごい宿屋に帰って休みたい…すっげ吐き気してきた…魔王のプレッシャーで頭痛もヤバい」
勇者「レベル1200が言うセリフか!魔王のほうが怖がってるわ、ほら、いくぞおら!」
女魔法使い「い、イタイイタイ!ひ、ひきづらないでくださいよ!あ、勇者さん!急にお腹が痛い…!!」
勇者「うっさい、早く来いこら!」 魔王の部屋の前
勇者「次、リレミト使ったら承知しないからな」
女魔法使い「はい…」
勇者「よし、それじゃ扉を開けるぞ…準備はいいか…?」
女魔法使い「……」
勇者「………」
勇者「なあ…」
女魔法使い「え?」 勇者「もし…その…、魔王を倒して…この旅が終わったらさ…、
お前も一緒に来ないか…?俺の故郷に…」
女魔法使い「…え?」
勇者「え、あ…いやほら…、お前って故郷がなくなったって話、前にしてたし…、
その…、帰る当てがないんだったら…よかったら…って思って…」
女魔法使い「………」
勇者「まあそれに…、お前と旅をしたこの数年間楽しかったし…、魔王を倒して離れ離れになるのも…さみしいっちゃさみしいから…その…、
要するに、俺の故郷で一緒に暮らさないか…よかったら、だけど」
女魔法使い「ゆ、勇者さん…」 女魔法使い「ゆ、勇者さん…」
女魔法使い「あ、ああの…勇者さん…、そ、それって…つまり、私と」
勇者「まあ、ずっと一緒にいて、お前ももう、俺にとっちゃ妹みたいなもんだしなっ!
故郷で妹2人を世話するくらいどうってこと…」
女魔法使い「リレミト」
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