近年、アメリカにおいて、日本で流行しているアニメ作品には「高齢の孤独な男性が異世界で活躍して、一方的に複数の女性から言い寄られながら、第三者から与えられた力によって逆境や不運を経験することなく大義を為していく」といった共通点があると指摘されています。

マレーシア大学の人文科学比較文学の教授であるジョン・スミス氏はこれについて、
「日本のインセル(性的不満足のために反社会的行動を取る男性集団)が高すぎるプライドと惨めな現実の自分とのギャップに悩み、人生に不満を抱いていることが関係しています。
これらの作品は彼らの肥大化した自我に価値を与えて肯定し、そのコンプレックスを慰撫する最良の表現手段として広く受容されたのではないでしょうか」と述べています。

また、これらの作品において女性キャラクターの描写が男性優位の視点から描かれることと、主人公が社交的でないという設定が読者層が強く共感できるものである一方、女性蔑視や性差別の増長に繋がり、社交不全や孤独感を悪化させる可能性があるとスミス氏は指摘しています。
これらの作品が人気を集める理由は、現実社会での居場所や自己肯定感の欠如を補うために、フィクションの世界に没頭している、といったことが考えられます。