ゼレンスキー大統領は岸田首相と会談した21日、「国際秩序の真の守り手だ」と日本を評価。日本の国力やアジアでの発言力、G7議長国としての役割を考慮すれば「本日の会談は世界的な成果をもたらすことができる」と強調した。

岸田首相は会談で、制裁逃れをロシアに許さない仕組みづくりを日本やG7が主導すると表明。財政・復興支援で日本が役割を果たすとも述べた。日本は被爆国としてロシアの「核の威嚇」を容認しないことをG7首脳会議でも強く発信すると約束。いずれもウクライナが望んできた内容だ。

ウクライナは後ろ盾とする米欧諸国に「支援疲れ」が広がることを危惧している。G7議長国の日本が強い姿勢を打ち出したことで、支援の継続や拡大が担保された形だ。

同じ日にはロシアで中露首脳会談が行われ、和平の仲介に意欲を示す中国のロシア寄りの姿勢が浮き彫りになった。ロシアに侵略を断念させるためにもウクライナには日米欧との連携の重要性が増している。

22日朝にワルシャワの首相府に到着した岸田首相はポーランドのモラウィエツキ首相に出迎えられた。前日にウクライナを訪問したばかりだったが、スーツ姿の岸田首相は疲れた表情を一切見せず、モラウィエツキ氏と笑顔で談笑する場面も。写真撮影では、満面の笑みで握手を交わした。取材に訪れた海外メディアの関係者からは「タフな首相だ」との声が漏れた。