もはやゲーム配信界隈の象徴とも言うべき存在となっている加藤純一。主催を務めたオフラインイベント『加藤純一presents 配信者ハイパーゲーム大会』は、同時接続数20万を記録するなど、その人気は衰えることを知らない。
ところがその一方、ネット上では「ゲーム製作者へのリスペクトに欠けている」という批判も相次いでいるようだ。最近物議を醸したのは、PCゲーム販売プラットフォーム『Steam』の“返金システム”を利用する行為だった。

返金申請を繰り返す加藤純一

まず問題となったのは、3月20日に『Twitch』で行われた配信。「Steam」のストア上で適当なゲームを探してプレイするという内容の配信だったのだが、最初に選んだ『Last Oasis』というゲームは、開始から約16分でリタイアに至っている。
どうやら同ゲームはサバイバルMMORPGであるにもかかわらず、敵対プレイヤーがほとんどいないほど過疎状態だったため、楽しめなかった模様。加藤は「人が誰もいませんでした」という理由を添えて、返金を申請した。

続けて、加藤は『LoveChoice 択愛』というアドベンチャーゲームを購入して実況プレイ。しかし今度は、主人公が彼女に振られてしまう“BAD END”に到達してしまう。
そこで「こんなわけのわかんない女に一方的に振られるのは、しゃくにさわるんで」などと言いながら返金を申請。ちなみにプレイ時間は約14分だった。

さらに3月22日に行われた配信でも、加藤は『野球部ものがたり』という野球部運営SLGをプレイした後に返金対応を要求。微妙なクオリティのゲームに対する“ツッコミ”として、返金申請まで含めた芸に昇華している。
ゲーム返品で稼ぐゲーム実況者の是非

しかしそんな加藤の返金申請芸に対して、《配信させてもらってる立場でネガキャンするのはどうかと思う》《ゲームに便乗して稼がせて貰ってるのにリスペクトないのすごいな》
《面白くないから返金って、ご飯頼んでおいしくないから返金と変わらん》《どんなゲームでも面白くしようと努力するのが配信者の勤めだろ》といった声が続出。ちょっとした炎上状態になってしまっている。

なお、返金自体は「Steam」のシステム的に許されている行為だが、その“濫用”は禁止されている。
規約によると、「返金は、Steamでのご購入からリスクを取り除く為に設計されており、ゲームを無料で試すためのシステムではありません。返金システムを濫用していると弊社が判断した場合、返品リクエストにお応えできない場合があります」とのことだ。

また、加藤は問題の配信を収益化させているため、《ノーコストで金稼げる錬金術》《ゲーム試食者》などと揶揄する人も。たしかに返金を行うまでのわずかな時間だとしても、その間配信にゲーム実況を乗せて収益を得ているという点では、グレーゾーンかもしれない。
何よりもゲーム実況者は、誰かが作ったゲームあってこその職業。たとえゲームがつまらなかったとしても、リスペクトある行動が求められるべきだろう。

「配信者ハイパーゲーム大会」の成功を持ち出すまでもなく、加藤は現在、ゲーム配信者の顔として活躍する人物。界隈のモラルを保つためにも、模範になるような配信を行ってほしい…というのは望みすぎだろうか。

文=大上賢一
https://myjitsu.jp/enta/archives/118803