鳥取県水産試験場(境港市)は27日、甲羅の幅など外観は雄だが、雌特有の丸い形の腹節(通称ふんどし)を持つズワイガニが境港水産物地方卸売市場に水揚げされたと発表した。
同試験場によると、これまでに例のない珍しい個体といい、水産研究・教育機構(横浜市)で雄雌の判別やDNA解析などの研究を進めるとしている。

 水揚げしたのは、田後漁協(岩美町)所属の沖合底引き網漁船「宝生丸」(95トン)。今月6日、同市場に水揚げされ、選別作業で腹部を上にして並べていた境港魚市場の職員が特異な点に気付いた。

 このズワイガニは甲羅の幅が119・44ミリと雄の大きさながら、腹節の形が雄の台形状ではなく、雌特有の丸い形をしている。さらに、腹節の内側には雄の交尾器と雌が産卵後に卵を保持するための細毛のある腹肢の両方を備えている。

 過去にもベニズワイガニで甲羅の半分が雄で半分が雌などの個体が水揚げされた例はあったが、ズワイガニでは珍しいという。

 同試験場底魚資源室の藤原大吾研究員は「雌の甲羅の幅は通常大きくても90ミリ程度。大きさから雄に近いのではないか」と話している。
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