5点の衣類、市民のアイデアが「有罪」突き崩す 袴田事件再審確定

「これは決定的な証拠になる」

2010年8月、人の血液を付着させた衣類をみそ漬けする実験に取り組んでいた袴田巌さん(87)の再審請求の支援者たちは、
半年間漬け込んだ衣類をみそから取り出し歓声を上げた。
袴田さんを死刑とした確定判決では、みそ漬けされた犯行時の犯人の着衣とされる「5点の衣類」の血痕には赤みが残っているとされたが、
実験では赤色が黒褐色に変化し、明らかに矛盾する結果が出た。

東京高裁差し戻し審でこの実験は「無罪の新証拠」と評価され、検察側の特別抗告断念につながった。
実験を中心的に進めた支援者の山崎俊樹さん(69)は
「実験は、検察から開示された5点の衣類の写真に違和感を覚えた支援者たちのアイデア。地道な活動が実を結んだ」と誇った。
https://mainichi.jp/articles/20230321/k00/00m/040/255000c