「異世界おじさん」急増の日本


将来に希望が持てない中年が増えている──。
「どうせ子供も嫁もいない。ひたすら働いて死んだら、異世界で楽しい生活を送りたい」
名古屋市で運送会社に勤める佐藤さん(42)はこう語る。

「生活には困ってないですね。一人で暮らしていくのに十分なお金はあるし。
 今の人生を乗り切って、異世界転生してからが本番だと思っています」

5年前から“異世界転生”を信じるようになったという佐藤さん。一体、何がきっかけだったのか。

中略

「死んだことある人なんて一人もいないんですよ。だから、異世界転生を否定することはできないはずですよね」
と得意の顔だ。

無敵の理論を振りかざし、恋愛や結婚や子育てといった“まともな”社会生活から逃げ続ける……。
日本の中年男性のリアルがここにあった。