今日20日に米国マイアミで行われるWBC準決勝の米国対キューバが注目を集めている。そこには、国交断絶の対立、緩和の歴史を繰り返してきた両国の政治的な背景がある。今回キューバは初めて亡命したメジャーリーガ―の代表招集を求め、メジャー通算82本塁打で5年総額7000万ドル(約92億円)でホワイトソックスと契約しているジョアン・モンカダ(27)らが参加しているが、拒否した選手も少なくなく、キューバ政府に反対するデモが球場周辺で行われる可能性もあり、緊迫した雰囲気の中、両チームが激突する。
 米国が準々決勝でベネズエラにトレイ・ターナーの劇的な逆転満塁本塁打で勝利したことで、世界が注目するキューバ戦が実現することになった。
 ニューヨークタイムズ紙は、「2017年のWBCで優勝した米国は、日曜日の夜に象徴的意味合い、歴史、感情が生み出されるキューバと対戦する」と記し、USAトゥデイ紙は、「WBCのマイアミでのキューバ対米国の準決勝は緊迫感をはらんでいる」との見出しを取り、この試合がなぜ注目されているかについて詳しく解説している。
 試合が行われるマイアミは、リトル・ハバナと呼ばれるほど、キューバからの亡命者が多い街。敏腕記者のボブ・ナイチンゲール氏が執筆したUSAトゥデイ紙の記事によると「ローンデポ・パークの周辺は、抗議活動や厳しいセキュリティーとともにWBCで史上最も二極化した試合になるかもしれない。キューバが豪州に勝って準決勝進出を決めて以来、マイアミのキューバコミュニティーでは緊迫感、腹立たしさ、怒りが高まってきている」という。