ぼっちの母「ひとりちゃん、明日のバレンタインの準備はちゃんとしてるの?」ぼっち「え?」
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ぼっちの家
ぼっち「バレンタインの準備って…?え、なんで?あ、おとーさんの分?それならおかあさんが毎年準備して」
母親「あらあら、JKとは思えないセリフねえ。だめよ?せっかくお友達ができたんだから、お世話になってる人たちにチョコくらい渡さないと」
ぼっち「え…チョコ?わたしが?みんなに…?」
ぼっち「(そっか…、バレンタインデーなんて、恋愛とか青春を満喫してる人達のイベントだとおもってたから気にしてなかったけど…)」
ぼっち「(クラスの子が友達同士でわたしてるの、教室でみたことあったな…確かに、STARRYの皆の分くらいは準備したほうがいいのかも)」
ぼっち「(けど私、人にチョコなんて渡したことないし、準備って、どうすれば…)」 キッチン
ひとり「(ネットの知識だと、渡すチョコは買ったやつよりも手作りのほうが喜ばれるって書いてあったし、普段お世話になってるみんなの分くらい、作ってみよう)」
ふたり「おねーちゃんがお台所に立ってエプロンしてるなんて珍しいね?ひょっとしてお料理するの?」
ひとり「うん、おねーちゃん今から手作りチョコ作るんだ」
ふたり「えー、無理だー、おねーちゃんがお料理なんてっ、絶対無理」
ひとり「そ、そんなことないよ、大丈夫だよ、おねーちゃんだってそれくらい。それに手作りチョコって言ったって、ただ市販のものに火をかけて溶かして、形を整えてから固めるだけで…」
ふたり「おねーちゃん、なんか溶けたチョコがブクブクグツグツになって、変なにおいするけどいいの?」
ひとり「え?あ、あれ?ひょっとしてちょっと焦げてる!?ひ、ひ、火を弱めないとっ、ってああっ」ガチャーン
ふたり「おかーさん、おねーちゃんがお台所めちゃくちゃにしてるよー」 次の日の朝の登校中
店員「ありがとうございましたー」
ひとり「(…結局、みんなの分、市販のチョコを買ってしまった)」
ひとり「(昨日作った手作りチョコも一応、1つ持ってきたけど…、正直焦げてぐちゃぐちゃだし…、こんな毒みたいなの渡したら下手したら絶交されてしまう…、お店にやつならキレイでおいしくて間違いないし、こっちのほうがいいよね)」
ひとり「(けど、チョコってみんなにいつ、どうやって渡せばいいんだろう…、こういうこと今までしたことないから、渡すタイミングとかよくわからない…)」
ひとり「(私なんかが急にチョコなんて差し出したりしたら、みんな不審がらないかな…ちゃんともらってもらえるかどうか不安…)」
ひとり「あれ…、なんか…、緊張してきた」
…… その日の学校の昼休み
喜多「はい、ひとりちゃん、これバレンタインデーのチョコっ」
喜多「あ、手作りなのはね、まあ、変な意味じゃないんだけど、ひとりちゃんには普段お世話になってるからってだけで、別にそれ以上に特別な意味はないというか」
喜多「あ、けどね、他の子に渡すチョコよりがんばって作ったんだけどね…まあ、そういう意味じゃあ」
喜多「特別な意味合いが全然ないというわけではないんだけどねっ」
喜多「(………)」 喜多「(いやいや。回りくどいわよね言い回しが…、チョコを渡すだけなのに変な意味でとられちゃうかも…、もっとシンプルに渡す感じのほうがいいかしら?例えば…)」
喜多「はい、ひとりちゃんこれチョコね。いつもありがと!それじゃいつもどおり、練習はじめよっか」
喜多「(……いや、これはなんかそっけなさすぎるわよね。確実に皆にも同じ感じで渡してるんだろうなって、思われちゃう。いや、ちょっとくらい、特別な意味でとってもらいたいというか…ううん)」
喜多「(…あれ、なんで私ひとりちゃんにチョコ渡すだけでこんなに頭悩ましてドキドキしてんだろ…)」
喜多「(いや、ひとりちゃんのことだからバレンタインデーなんて全然興味ないだろうし、やっぱり軽い気持ちで渡す感じが一番…いやけど)」
ぼっち「あ、お、おそくなってすみません喜多ちゃんっ」
喜多「ひゃああ!」 スレタイで検索したら過去ログ見つかったから落としてええで SSってオタクがニチャニチャしながらこれがいいと思って妄想したんだろうなぁって考えちゃってまともに読めないわ
読んでて恥ずかしくなる 喜多「ひ、ひとりちゃんっ、急に話しかけてきて、驚かさないでよっ」
ぼっち「え、あ、すみません」
喜多「あ、ううん、わたしこそ変な声あげてごめんなさい。……あ!そ、そーだ、ひとりちゃん。これ、チョコ、あげるね」
ぼっち「え?」
喜多「ほ、ほら、今日はバレンタインデーでしょ?」
喜多「バレンタインデーってさ、す、す、好きなひとにチョコあげるっていうそういうイベントと思われがちだけど、ほ、ほら、普段、友達とか、お世話になった人に渡したりするじゃない?その、だから、その、あの…ひとりちゃんにもその」
喜多「(わ、わたしのばかっ、な、何でこんな緊張して変なこと口走ってるの!?)」
ぼっち「……」 ぼっち「(喜多ちゃんもお母さんと同じこと言ってる。そっか、バレンタインデーってやっぱり友達同士とかで普通に渡しあいっこするものなんだし、そんなに緊張しなくてもいいんだ)」
ぼっち「あ、ありがとうございます、喜多ちゃん。ありがたくいただきますね」
喜多「う、うんっ!」
喜多「(よ、よかった、ちゃんと自然な感じで、ひとりちゃんに渡すことができて!)」
ぼっち「あ、私も喜多ちゃんにチョコ持ってきたんで、あ、これどうぞ」
喜多「は?」
ぼっち「え?」 喜多「ちょ、チョコ…?これ、ひとりちゃんが…、わたしに…?」
ぼっち「え…?あ、はい…、私も、喜多ちゃんには普段お世話になってるから…、その…あ、あの、何か変…でしたか?」
喜多「あ、ううん、そんなことないわ。ありがと、ひとりちゃん。私もありがたくいただくねっ」
喜多「…さ、それじゃいつも通り、練習はじめましょっか」
ぼっち「あ、はい(よかった、ちょっと変な顔された気がしたけど…、普通に笑顔で受け取ってもらえた)」ホッ 練習中
喜多「(………)」ジャーン
喜多「(えええええええええ〜〜〜!!!ひ、ひとりちゃんが、チョコ!?う、うそっ!?うそっ)」
喜多「(ひとりちゃんってバレンタインデーとか全然興味なさそうだし!チョコ、もらえるなんて夢にも思ってなかったのに!?ちゃ、ちゃんと準備してきてくれたんだ、わ、わたしのためにっ!?)」
喜多「(市販のやつっぽいけど、ひとりちゃんそもそも料理なんてしなさそうだし、手作りじゃなくたって全然…、あれ、どうしよう、なんか、私、ものすごくうれしいっ!!)」
ぼっち「…(よかった。うまくチョコ渡すことできて。ちょっと緊張したけど、今日はバレンタインデーだし、喜多ちゃんみたいに普通に渡せばいいんだ。心配して損した)」
ぼっち「(よし、この調子で、今日のバイトの時、他の皆にもチョコ渡していこうっ!)」
喜多「……っ、……っ」ジャーン!ジャーン!ジャーン
ぼっち「(あれ、それはそうと喜多ちゃん、今日演奏が心なしか激しいような…)」 放課後 下北沢駅周辺
ぼっち「(あれ、あの後ろ姿は…)に、虹夏ちゃんっ」
虹夏「あれ、ぼっちちゃん。おつかれーこれからSTARRY行くよね?一緒いこっか」
ぼっち「は、はい」 虹夏「あ、そうだぼっちちゃん。はいバレンタインデーのチョコ、いつもありがとね、これからもよろしく」
ぼっち「あっ、ありがとうございます」
ぼっち「(虹夏ちゃんもやっぱり準備してるんだ。やっぱり友達同士ってこれが普通なんだな、今まで友達いなかったからわからなかったけど)」
ぼっち「い、良い匂いがしますね、お、おいしそうです」
虹夏「そうでしょー?いやーそういう反応うれしいなー、リョウとかおねーちゃんに渡しても反応薄いし、ぼっちちゃんみたいな反応がうれしいよ、あ、あとふたりちゃんとぼっちちゃんのおとーさんおかーさんの分もあるから皆で食べてよ」
ぼっち「(私の家族の分まで!?さすが虹夏ちゃんだな女子力すごい…勉強になる…)」
ぼっち「あ、あの虹夏ちゃん、わたしもその、チョコ、どうぞ」
虹夏「え…?」 虹夏「え?何?これ、くれるの?ぼっちちゃんが…私に…?」
ぼっち「え、あ、はい…普段お世話になってるので…」
虹夏「………、あ、ありがとー、うれしいよ、おいしくいただくねっ」
ぼっち「え、ええ…どうぞ、うへへ」
ぼっち「(虹夏ちゃんにもうまく渡せた…、よかった。けどなんか、一瞬間があったような?気にせいかな)」
虹夏「…」
虹夏「(まさかぼっちちゃんからチョコもらうなんて予想外だったな。ぼっちちゃんこういうの苦手そうなのに…市販のやつっぽいけど、がんばって選んでくれたのかな。あれ、そう思うと、なんか、結構うれしいかも…)」
虹夏「(……、ひょっとして私だけに、だったりして…?いや、そんなわけないかー…いや、けど…いや、ないかー…?んん…、けどもしそうなら、なおさらうれしいというか…ん?あれ、なんで私、こんなこと思ってんだろ??うーん)」 STARRY 練習場
ぼっち「(あ、リョウさんもう来てる。リョウさんにもチョコ渡さないと…ってあれ?)」
リョウ「……」ムシャムシャ
ぼっち「りょ、リョウさんその大量のチョコは」
リョウ「ああ、クラスの子とか、よく知らない子とか、、何かいろんな人にもらったんだよ、ぼっちも食べる?適当に空けて食べていいよ」
ぼっち「え、いや…それは…リョウさんがもらったものですし、さすがに…まずいというか」
ぼっち「(リョウさんすごい。いろんな人からチョコもらってるんだ。けどこんなに沢山もらってるなら、私が用意した分、渡したらかえって迷惑かな…?、けど、リョウさんにも普段の感謝の気持ちを伝えたいし…よし)」
ぼっち「あの、リョウさん、これ…」
リョウ「え?」 リョウ「え?なにこれ…、チョコ…?ぼっちが用意したの?私に…?」
ぼっち「あ、はい…その、普段の感謝の気持ちで…、あ、けど、もうたくさんもらってて迷惑なら持って帰ろうかと…」
リョウ「いや…もらう。もらうよ。ありがと」
ぼっち「あ、いえ…(よかった、リョウさんにも受け取ってもらえた、この調子で他の人にもわたそう)」
リョウ「……」 リョウ「(ふーん、ぼっちがバレンタインのチョコか、市販のやつみたいだけど…、けど私と一緒でチョコとか人に渡すタイプじゃないと思ってたから意外だな)」
リョウ「(…普段、チョコなんて虹夏のやつくらいしか味わって食べてないけど…、ぼっちのもちゃんと味わって食べるかな)」
リョウ「(しかし、あのぼっちが私に…か、ふーん…そっかー…へー、そっか、ぼっち。そうなんだ。そういうことか。私もまあ、ぼっちとは気が合うところもあるな、とか思ってたけど、なんだそうか。なんていうか)」
リョウ「(モテる女はつらいなー…)」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています