日本フットボールリーグ(JFL)に参戦していたFC神楽しまねの運営会社・松江シティFC(島根県松江市灘町、宮滝譲治社長)が14日、松江地裁に破産手続き開始の申し立てをした。選手獲得費用がかさんだことなどで資金繰りが悪化。事業継続を模索したが経営を立て直せなかった。帝国データバンク松江支店によると負債総額は3億5千万円になる見込み。

 代理人弁護士によると、勤務していた7人の従業員はすでに退職。小中学生などの育成組織は1月31日付で活動を停止し、トップチームに関してもシーズン終了時に在籍していた選手27人全員が退団し、すでに解散した。

 同社は、2017年に設立され、NPO法人からクラブの運営を引き継いだ。19年には中国リーグ(地域リーグ)からJFLに昇格したが人件費や遠征費が増え、決算は20年1月期が約9700万円、21年1月期が約8200万円、22年1月期が約1億円の赤字だった。

 昨年7月には選手、スタッフの給与未払いが発覚。寄付金などで資金確保を図ったが、経営再建はできず、1月23日のJFL理事会でリーグ退会が決まった。宮滝社長は「ご支援いただきました関係者の方々に大変なご迷惑をおかけすることとなり、誠に申し訳なく、衷心よりお詫び申し上げる」とコメントした。