そんな野々村だが、本誌は'20年4月に取材を試みている。当時の彼の近隣住民に話を聞いた際、

「'18年の夏ごろに親と同じ団地内でひとり暮らしを始めましたが、毎日のように母親が住む部屋へ朝食を食べにいっていたようです。また、母親が外出すると一定の距離を置いて後ろから見守るように歩いています。どういう意図かはよくわかりませんが……」

 と、親離れができていない様子だった野々村。その証言通り、野々村の母親が昼下がりに自宅を出て最寄りの駅に向かうと、黒のスーツに帽子を深くかぶった野々村の姿を目撃。

本人に近況を聞こうと声をかけた瞬間、踵を返して「助けてぇ〜!」と絶叫し逃走。野々村はどこかに携帯電話で電話をかけ始めると「助けてください!」を繰り返しながら、駅近くのスーパーに駆け込んでいった。
警察も戸惑うほどの喚き

「男性が大声で騒いでいたので周囲は騒然。お客さんや店員さんに掴みかかる勢いで助けを求めていましたが、事情がわからないから誰も助けていませんでした」(当時、居合わせた女性)

 客の目など気にせず絶叫しながら店内を走り回る野々村。周囲に危害を与えないように、記者が本人をなだめようとするも意に介さずスーパーを飛び出し、近くの郵便局に飛び込む。あっけにとられている郵便局員たちに事情を説明するためにも、

「一旦、落ち着きましょう」

 と、記者が野々村に声をかけるも、

「半径10キロ以内に入らないでください! 今、接近を控えるように言われてるでしょう!」

 など新型コロナウイルスを意識したと思われる発言で牽制。そうこうしているうちに警察が郵便局に到着し、複数の警察官が暴れ続ける野々村を抑えている間、記者は警察から“とりあえずこの場を離れてください”と、指示されたため、本人から話は聞けなかった。

「警察が何を聞いても”助けてください”と”保護してください”の一点張りでした。 彼らが“落ち着いてください”となだめてましたが会話にならず。最後はなぜか警察に対して”解放してください!”とわめいてましたよ」(一部始終を目撃していた男性)