妻涙の訴え「夫が死ぬほど暴行を受けることをしたのでしょうか」ウインカー出さず右折→注意されて口論なり死亡させた男に厳罰求める
https://news.yahoo.co.jp/articles/70a95ea180740cbec99f76dee7ec9799a0c8f4e3

2022年5月、交通トラブルから高齢の男性を殴ったり踏みつけたりして死亡させたとされる男の裁判員裁判。事件のきっかけは、萩市椿東の男(38・傷害致死の罪に問われる)が、車でウインカーを出さず曲がろうとしたことでした。

起訴状によりますと、男は2022年5月5日、萩市の路上で男性(当時73)の胸ぐらをつかんで転倒させ、胸や腹を殴ったり踏みつけたりして大けがを負わせ、およそ1か月後に死亡させたとされます。

これまでの裁判で、事件のいきさつが明らかになりました。事件当日の午後5時57分、男は仕事で車を運転中、ウインカーを出さずに右折。自宅からその様子を見ていた男性がクラクションを鳴らしたことから、2人は口論になります。通行人から男の車を移動させるように言われ、1度は中断しましたが、再び口論になり、家から出てきた男性の妻が警察に通報。わずか3分後、胸を押されたことに腹を立てた男は、あおむけに倒れた男性の胸や腹を1回殴り、1回踏みつけたとされています。その2分後、警察官が現場に到着すると男はすでに立ち去っていていました。警察官が男性に事情を聞いていると、男性は急に体の異変を訴え病院に運ばれましたが、意識は戻らないまま、およそ1か月後に死亡しました。

山口地裁で開かれた公判。男性の妻が法廷に立ちました。妻は「来月には金婚式のはずだった。被告は賠償金として200万円を供託しているが、謝罪の気持ちは伝わらない。夫は死ぬほどの暴行を受けるようなことをしたのでしょうか」と涙声で語り、厳罰を求めました。検察は「男は反撃する様子のない男性に暴行を加えており、犯行は危険で一方的だった」と指摘。「男性がクラクションを鳴らしたのは正当な行為であり、因縁を付けた男側に落ち度があり、動機や経緯に強い非難が加えられる」として懲役8年を求刑しました。

一方弁護側は「男性は以前から自宅前を通る車を監視してクラクションを鳴らしていて、道路交通法に沿わないクラクションの使用で口論になった」と主張。「男性が先に胸を2回押しており、男性にも一定の落ち度はあった」として、懲役3年、執行猶予4年が相当であるとし、審理を終えました。