〝眠れる主砲〟をどうするのか。第5回WBCで侍ジャパンは1次ラウンドを4戦全勝で突破した。順調に16日に行われる準々決勝(東京ドーム)へ駒を進めたわけだが、残された最大の懸案は打撃不振から抜け出せない4番・村上宗隆内野手(23=ヤクルト)だ。代表入りを逃したNPB戦士たちの間でも大きな関心事となっており「外す派」「心中派」で意見が割れている。

 3大会ぶり、14年ぶりの世界一奪回へ、上々のスタートを切った。投打がかみ合い、次戦は台湾プールを2位で通過したイタリアと準々決勝で激突する。連日の熱戦で日本中を熱狂させているが、それはオープン戦の真っただ中にいるNPB戦士たちも同じ。自宅や遠征先で、時間を見つけては画面越しに侍ジャパンの戦いを見守っている。

 そうした中、栗山英樹監督(61)の〝英断〟が大注目されている。村上は1次ラウンドの4試合にすべて4番で先発出場し、打率1割4分3厘(14打数2安打)で7三振。5四球を選んではいるものの0本塁打、2打点で豪打は鳴りを潜めたままだ。短期決戦で不振の「村神様」をこのまま4番に置くべきか否か――。

 元日本代表の現役選手は「正直、もう見ていていたたまれない。スタメンから外してあげてほしい。若いのに日の丸の重圧を背負いながら4番まで張っている。今は甘い球を見逃し、不利なカウントになって手を出しちゃいけないボールを追いかける完全な悪循環。あれだけの選手だから、自分の状態は本人が一番よく分かっているはず。外されたら悔しいだろうけど、外されても仕方がないと納得できると思う」と断言。想像を絶する重荷から解放させ、本来の輝きを取り戻させるためにも〝リフレッシュ〟の必要性を説いた。

 しかし、正反対の声も上がっている。別の元日の丸戦士はこう力説する。

「村上を外したら打線の核が揺らぐ。『村上を代えるなら、今から誰を4番にするの?』という話になる。少なくとも、とんでもない打率の1番・ヌートバー(4割2分9厘)と2番・近藤(4割6分7厘)、3番・大谷(5割)は代えられないはず。村上に結果が出なくても、この形で勝ってきたチーム。一発勝負で組み替えるのはリスクが大きい。最後まで村上を信じるべきだと思う」

 外すのか、外すべきではないのか。どちらの選択が正しいのかは誰にも分からない。当初はヌートバーの招へいや起用に懐疑的な目を向けられながら、ここまではズバリと的中させてきた栗山監督。もがき苦しむ主砲への処遇が注目される。

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