北朝鮮最後の夜を迎えた。私は鉄道マニアであるが、北朝鮮音楽のマニアでもある。北朝鮮でもカラオケができると聞いて、必ず行きたいと思っていた。メンバーに声をかけたところ、ほぼ全員大学生ぐらいの7人が集まった。

日本のカラオケボックスとは違い、広々とした個室レストランのような部屋だった。

カラオケのカタログをめくって曲を探していると、ガイドから「日本の曲はあまりないですが……」と申しわけなさそうに言われた。だが私たちは「北朝鮮の曲を歌いに来たので大丈夫です」と答えて、曲の番号を入力していった。

『攻撃戦だ』を歌った。日本のインターネットの一部でも有名な曲である。ベタすぎる気もするが、これで一気にフロアが温まった。

その他にも次々と北朝鮮の曲を入れていった。北朝鮮音楽マニアにとって、本場平壌で心ゆくまで歌えることほど嬉しいことはない。大学生のカラオケらしく8人で大盛り上がりした。

その一方で、ガイドは「こんなに北朝鮮の曲を歌う日本人は初めてです……」と唖然としていた。北朝鮮でカラオケをする日本人も少なくはないようだが、ほとんどが日本の曲だけを歌うようであり、北朝鮮の曲を歌う人は珍しかったらしい。

https://note.com/twinrail/n/n6b841d4d45dd