国内利用者はバブル時代の6分の1、スキー場は海外客に活路…「難コース新設」「初めての雪体験」

 スキー場の運営会社が、訪日外国人の取り込みに力を入れている。滑走技術が高い客向けに特別コースを新設したり、
初めての家族連れでも楽しめる雪遊びを用意したりしている。国内のスキー人口は減少しており、増加が見込まれる
訪日客に期待を寄せている。

 白馬八方尾根スキー場(長野県)は1月、ジャンプ台や凹凸のある特別コース「スノーパーク」を新設した。
通常のゲレンデとは違う滑りが楽しめる。営業担当者は「スノーボードを楽しみたいという訪日客の要望に応えた」と説明する。

 新興企業「スキーデイ」(東京都)は今冬、15分おきに撮影したスキー場の画像を配信するサービスを始めた。
高画質で雪の状態を確認できるほか、気温も表示し、国内約70か所のスキー場が導入した。
太野垣達也社長は「訪日客はパウダースノーといった雪質にこだわりがある」と話している。

 東南アジアのような、雪が降らない国の客を見込む動きもある。西武・プリンスホテルズワールドワイドの
苗場スキー場(新潟県)では、そり遊びや浮輪のようなゴム製の乗り物で雪上を滑走する「スノーチュービング」を楽しめる。

 訪日客向けにホテルやリフト券の予約を代行するワメイジング(東京都)によると、新型コロナの水際対策が
緩和された昨秋以降、取り扱いは急増している。1週間の件数が前週の1・5倍のペースで増え続ける時期もあったという。

 観光庁の集計では、スキーやスノボを楽しむ訪日客の数はコロナ禍前まで拡大してきた。
2018年は96万人と推計され、14年の倍以上になった。1人あたりの旅行支出も22・5万円と、
平均的な訪日客に比べて7万円ほど高い。

 一方、日本人のスキー離れには歯止めがかからない。日本生産性本部のレジャー白書によれば、
国内のスキー・スノボ人口は21年に280万人で、バブル景気だった30年前のピークに比べて6分の1に減った。

 政府は、訪日客を増やすために、降雪機や多言語対応の設備投資に補助する制度を用意した。

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230220-OYT1T50107/