ヒュンッ!
「灼熱魔法 "猛炎"」

ボワワワワワワワワッ!!

あたり一面に炎が燃え上がる。
ゴブリンの群の半数ほどが、焼き焦げた。

ゴブリン「!?だっ、だれだ!」

シュッスパン!

愛剣"ブレイブ・ソード"で切り裂きながら言う。
勇者ワイ「通りすがりの勇者だ。…もっとも、もう聞こえてないだろうが」

地面にゴブリンの首が転げ落ちた。
事態を見ていた他のゴブリンたちは、その場に立ち尽くしていた。
恐怖のあまり、逃げ出すことさえできないでいた。

勇者ワイ「本当はこんな残虐なことはしたくない。
だから、お前たちはエルフを襲わない。それを約束するなら、手を引いてやる。」

しばらくすると、ゴブリンの長らしきものが発言した。
「エルフとゴブリンの間では、長年、争いが続いておりました。実は私たちも、不毛な戦いは避けたかったのです。」

「ですから、これからは仲良くしていきましょう」

ワッと歓声が沸いた。
今ここに、長年のエルフVSゴブリンの争いは終結したのだ。

エルフ(ありがとう、ワイさん…!)
それから両族は仲良く暮らしたと、神話に記述されている。