「今、アダルトなことを全くしてない立場で言えば、非常に迷惑なだけというか。ただただ、人として傷つくだけですので」

「2018年9月に引退作を出してから、今現在はヌードであったりとか、そういったアダルトに関する仕事を一切しておりません。なので、それもあって“こういったもの”が出てしまったことで、自分の仕事に支障があると」

映像が流出したとみられるのは、渋谷さんがアダルトビデオ出演などをやめて、新たな人生を踏み出そうとしていたときでした。

「流出を知り、青ざめました。流出したのがAV出演などの仕事をやめたタイミングで、今は子どもや若い女性も対象に仕事をしているので、無修正動画が出たことはとてもショック」

渋谷さん側は無修正の動画が公開されることには同意しておらず、制作した会社などが流出防止のための措置を怠ったと主張。プライバシー権や名誉権が侵害されたとして、制作会社や監督らを相手に740万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こしました。

「AVに出演しているんだから、無修正だろうと関係ないじゃないか」
そんな声に対して、渋谷さんはこう反論します。

「AVに出演しているなら無修正であっても変わらないと思われる方もいるかもしれません。アダルトビデオへの出演は仕事として楽しくしていましたが、日本では無修正動画は違法であり、“渋谷果歩”は違法な動画に出演する人なんだと思われることは受け入れられない。AVはちゃんとした仕事なんだよっていうメッセージを投げかけようとしている今だからこそ、本当にちゃんとした仕事であれば、こういった業務上、起こってはいけないミスが起こってしまったときに、きちんと対応できるビジネス感覚を持っていってほしいなと思います」

さらに、一度映像が流出してしまうと、ネット上では転載が繰り返され、“デジタルタトゥー”として一生残り続ける「消えない傷」になるといいます。

原告 渋谷果歩さん
「例えば、海外のサイトとかで私が出演しているものがあって、これを取り下げてくださいっていうときに、著作権を持っている人間かどうか確認する欄があったりとか、実際、著作権を持たない側がこの作品を取り下げてくれっていうのはかなり難しくて」

「業界の中で業界の人を訴えることで、制裁を加えられて仕事に支障が出るということはある。実際に、男優さんが仕事をさせてもらえなくなったこともありました。今、私は全く別の仕事をしているからこそ、過去のことで訴えて再び注目されることは嫌だし、恐怖感もある。それでも、泣き寝入り状態の業界を変えるためにも、誰かがやらないといけないと思った」