【WBC】
WBC決勝戦、対戦国はドミニカ代表。
9回裏3対2で一点リード、2アウトランナー2、3塁フルカウントで差し詰まった場面で4番ゲレロJ rがバッターボックスで立ちはだかっている。
抑え投手に抜擢された大谷は緊張のせいか乱調、それに気づいた捕手の中村はタイムをとり、マウンドに内野陣を集合させた。
中村「大谷、大丈夫か?次ゲレロJ rで1発怖いぞ。一塁空いてるので歩かせるか?」
大谷「いや、俺はゲレロJ rと勝負がしたいです。絶対に抑えてみせます。ここは任せてください。」
村上「ここまで来たら大谷の判断に任せるしかないですよ。中村さん。」
源田「二、三塁間のゴロは絶対に通さないから安心しろ。思いっきり投げろよ。」
山田「ここで打たれたらもうしょうがないな。大谷が打たれたなら誰も文句は言えない。だからプレッシャーなんて感じずに全てをぶつけるんだ。」
牧「準決勝で担架で山川さんが運ばれてる時に言ってましたよ。「大谷が日本の一番の投手だ」って。だから悔いの残らないような結果になって欲しいです。」
大谷「ここでゲレロJ rを抑えて日本を絶対に優勝させます。任せてください。」
そう言って解散し、審判のコールが球場中に響いた。
捕手の中村はスプリットを要求したが大谷は首を縦に振らない。
自分が慣れないボールで捕逸するかもしれないから投げられないと察した中村はインハイのストレートを要求。
大谷は首を縦に振った。
緊張が走る球場、ゲレロJ rが大谷を睨む。
セットアップポジションに入り更に緊張感が高まる。大谷が投げた。その瞬間は刹那、ゲレロJ rのバットが空を切る。
観客からは歓声が上がって内野、外野から選手がマウンドに向かって走り、ベンチからも監督コーチが出てきて大谷を囲んで皆で喜びあった。
しかし、その輪の中心で笑っていたのは大谷でも栗山でもなく高田健志だった。