・詩聖の詩が全て名詩ではないように、
同時代の詩とて見どころのある詩も存在する。
賢者は、両者を味わい尽くし、その上でどちらかを高く評価なさるが、
愚者は他人の言葉に流され、判断を誤るのだ。

・オオカナダモにまとわりつかれながらも、美しさを失わぬ蓮の花、
まだらのしみがあってさえ、明るさを増す夜の月、
粗末な衣を着ていてさえ、この乙女は言葉を解す蓮や月。
かほどにうるわしきこの乙女に、アクセサリーとならないものがあるだろうか。

・お互いに心を一つに合わせかたく結ぶ夫婦の絆こそ、
現世における恋の果実というものだ。
もし男女の仲となった二人の心が通じ合わず、
お互いの間に愛情なければ、
その二人は寄り添っているだけのしかばねのようなものだ。

・君心せよ、いかにクルティザンヌが美しくとも、
その唇は、
間諜、傭兵、泥棒、奴隷、河原乞食、遊び人、なんJ民に、
何度も何度も貪られた唇、
身分の良い男ならば、どうして彼女たちの唇を求め、夢中になってよいものか。

・若き夫婦の朝チュン聞きおぼえ、オウムは長者に繰り返す。
新婦は顔を赤らめながら、ルビーの首飾りの宝石を、
ザクロの粒だと思わせて、オウムの嘴につまませる。

・今もなお心に浮かぶあの姿
扉の後ろに居るとも知らず頬杖ついて小道を見つめ我が名を呟く彼女の姿