0001風吹けば名無し
2023/01/09(月) 19:20:47.97ID:d8QCkmIB0カンボジア人のフシ・ダネ（25）は2018年、代理母として男の子を産んだ。精子提供者は中国人実業家で、卵子提供者はロシア人モデルである。その後、ダネはカンボジアの裁判所で、生まれた子を自分で育てるか、さもなければ刑務所に入るかの選択を迫られた。
彼女は突然のことにショックを受けつつも、夫と協力してその子を育てている。オムツを替え、抱きしめてキスをし、もっと食べて大きくなりなさいと声をかけながら数年を過ごすうちに、産んだ子を自分の息子だと感じるようにもなった。「この子を心から愛しています」と、彼女は言う。実業家は代理出産を依頼した罪で投獄され、服役中だ。
彼らの運命には、グローバル化した代理出産産業の複雑なジレンマが映し出されている。
カンボジアのように法制度が脆弱な国では、グレー（半合法）な市場が生まれやすく、政治情勢が突然変化したり、刑事事件に発展したりすると、弱い立場の人が窮地に追い込まれかねない。
10年ほど前、アジア諸国では代理出産が厳しく取り締まられるようになった。その反面、カンボジアでは代理出産が盛んに行われるようになった。
首都プノンペンにオープンした不妊治療クリニックや代理出産の斡旋業者には、外国人が殺到した。
その後、カンボジア政府はこれを正式に違法とする法律を成立させるために動き出した。しかし、法がほとんど機能していない「接待漬けの国」での禁止令は結局、女性たちを罰することになった。
「代理出産をすれば、もっと稼げる」
ダネが代理母になることを決めた理由は、ほかの女性たちと変わらない。多額の借金を抱えていたからだ。
彼女は田舎を出ると、都市部の衣料品工場で縫製の仕事に就いた。しかしその収入だけでは、とうてい都会での暮らしは成り立たない。
そんななか、ある人物が解決方法を教えてくれた。代理出産をすれば、9000ドル（約120万円）を稼げるという。これは１年分の基本給の約5倍に相当する。
一方、依頼主の徐文軍は、中国南部の深センの裕福な実業家で、彼には跡取り息子がいなかった。カンボジアの法廷で、徐は「妻が子供を産めなかった」と証言した。しかし彼の友人によると、徐は実は結婚しておらず、同性愛者であった。
ダネも、それを徐本人から聞いたという。中国ではLGBTQのカップルは養子縁組ができない。代理出産が合法の国でも、同性愛者や独身者は依頼できない場合がほとんどだ。
そこで徐は2017年、英領ヴァージン諸島に登記されているパーフェクト・ファーティリティ・センター（PFC）と代理出産契約を結んだ。
同センターは、LGBTQの人々に好意的な、数少ない代理出産業者のひとつであり、カンボジア、メキシコ、米国経由で依頼を受けている。
創業者で同性愛者でもあるトニー・ユーの子供たちも、カンボジア人の代理母から生まれたという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0502dfb3c91c1337fb20ab6fe7b9fbc97cf61793
