「このままでは日本の映画は本当に終わってしまう」――そう強く訴えるのは『海街diary』など数々のヒット作を世に出し、
2013年には『そして父になる』で第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門審査員賞受賞をした是枝裕和監督だ。

今年は邦画のヒット作がいくつも生まれたにもかかわらず、日本映画界への危機感をあらわにする。その心中とは――。

欧米のみならずアジアでも興行収入ランクは、ハリウッド映画が上位を占めるのが常だが、日本だけは違う。
邦画やアニメが年間のベスト10に入ってくる状況が続いている。こうした日本映画界の“ガラパゴス化”は、ユニークな現象だ。

そんな中、『シン・ゴジラ』、『君の名は。』といった邦画が大ヒットし、業界内でも話題となっている。
『シン・ゴジラ』は、総監督・脚本を『エヴァンゲリヲン』シリーズの庵野秀明氏が。『君の名は。』は『言の葉の庭』(2013年)などで人気の強い新海誠氏が監督だ。
どちらも固定ファンをもつ作り手だが、これほどまでの大ヒットになるとは誰も予想していなかった。

「この2作品は、観ていますよ。周囲でも話題になっていましたからね。
両作ともヒットの理由は、とても理解できます。
とくに『君の名は。』は、当たる要素がてんこ盛りですからね。ちょっとてんこ盛りにし過ぎだろ、とは思いましたけど。
この映画に限らず、女子高生とタイムスリップという題材からはそろそろ離れないといけないのではないか、と思います」

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