「豪雨に身震いする」半地下居住62万人…現実版『パラサイト』の惨憺たる現場

8~9日の豪雨で浸水したソウルの半地下住宅居住者は歯ぎしりした。10日に取材陣が訪ねたリュさん(72)の半地下の部屋は戦場のようだった。家電製品と家具は外に出してあり、床材ははがされていた。壁には大人の腰の高さまで水があふれた跡が鮮明だった。
リュさんは「8日夜に30分もしないで水があふれた。『早く出てこい』という夫の叫びに身ひとつで抜け出した」と話した。リュさんはソウル・瑞草区(ソチョグ)の家賃35万ウォンの半地下住宅に住んでいたが、3年前にさらに安い20万ウォンのここにきたという。彼は「生活保護50万ウォンでどうやって暮らしていくか先が見えない」とため息をついた。

会社員のパク・ソジンさん(28)は2015年に大田(テジョン)から上京した夢多き青年だ。考試院に住んでいたが、保証金1000万ウォン、家賃45万ウォンの安さから新大方洞(シンデバンドン)に来た。220万ウォンの月収と比較すれば少なくない負担だ。
小さな窓からは1日に2~3時間ほど日が差すが、冬にはかびがたくさん生えるという。いつもトイレの水が逆流し、8日夜には足首の高さまで水があふれ卒業アルバムや賞状などが水浸しになった。パクさんは「近く屋根部屋に引っ越す予定だが、こんなことになり悔しい」と話した。

(略)

ソウルの半地下住宅の72%は採光不良だ。換気不良は59%、防水不良は46%だ。惨事が起きたソウル・新林洞の半地下住宅は縦30センチメートル大の窓が道路側についている。映画『パラサイト』のように酔っ払いの立ち小便に耐えながら住んでいた可能性が大きい。
ソウル大学社会福祉学科のイ・ボンジュ教授は「韓国は最低住居基準に満たない世帯が相対的に多い。韓国の経済水準に照らしてみると本当に恥ずかしいこと」と話した。

(略)

https://japanese.joins.com/JArticle/294231