シェフがウェルダンステーキを好まないって?そんなことないさ。

それどころか、シェフにとってウェルダンステーキをオーダーしてくれる客は好ましい客だね。

シェフの手元に賞味期限切れの臭い肉があって、消費期限ギリギリ。捨てる直前だったとしよう。この肉は「ウェルダン」好きなお客様のお陰で、救出されて、焼き過ぎる程焼かれて、テーブルの上に並べられる訳だ。

ウェルダンをオーダーする人は、お客様の鏡の様な人だよ。残り物の古くなった肉を幸せそうに食べて下さるんだから。彼らに味の違いは分からない。レストランは悪くなりかけた肉を捌いて利益を得られる。外食産業にとって「ウェルダン」のお客様は貴重な存在だ。

ステーキを「ウェルダン」で食べたいというバカな選択肢をしてしまうお客様は、シェフのコスト問題や廃棄物管理、在庫管理の面で貢献して下さってるってわけ。ウィンウィンだね!

プロのシェフであるアンソニー・ボーデインは、有名な著書キッチン・コンフィデンシャルの中でこう述べている。