2500年前のギリシャ人
王様「自ら望んで盲人となったこの身にも、
我が娘たちのすすり泣く声ははっきりと聞こえる……
娘たちよ、こちらにおいで。この手を取りなさい。
お前たちには父親違いの兄でもある、呪われた罪人の手を……
この手は、かつては曇りなく輝いていた二つのまなこを、
こんな風に盲にしてしまったのだ……
それにしても、
お前たちの未来にはどんな苦しみと哀しみが待ち受けている事だろうか。
お前たちはどこに行こうと人々から罵られ、
涙なしに過ごす事はできないのだ……
やがて嫁ぐ日が来たとしても、
お前たちを娶ってくれる男など決しておりはせぬ。
父を殺し、母を娶り、
己が生まれたその臥所を穢した、
呪われし血をすすいでくれる男など……
お前たちは、嫁ぐことも子を産む事もなく、
つぼみのままに朽ち果てる運命にあるのだ……
幼い娘たちよ、お前たちがものの道理の分かる年頃であったならば、
この私から言って聞かせたい事はたくさんあったが、
今はただ一つの事だけを心に留めるがよい、
お前たちは、どんな境遇にあっても、
この父よりも幸福であれと……」

うーんこの落差