0001風吹けば名無し
2022/11/11(金) 22:48:12.45ID:pjx20yk60伊達政宗と家臣との関係を中心に、男色文化の盛衰の歴史を調べた岐阜県立多治見高校2年の田中裕真さん(17)が奈良大学と奈良県主催の全国高校生歴史フォーラム(地歴甲子園)で優秀賞に選ばれた。12日に同大で開かれる発表会で、現代のLGBTQ(性的少数者)の理解にもつながる考察を披露する。
フォーラムは今年で16回目。全国78編の応募の中から、5編の優秀賞の一つに選ばれた。
田中さんは、小学2年の時に地元ゆかりの武将、明智光秀のことを調べたのをきっかけに歴史好きに。両親や祖父を巻き込んで東京都から佐賀県までの日本百名城の大半を訪ねた。高校の歴史ゼミで出された人物研究の課題に、かっこよさから伊達政宗を選び、夏休みに文献を読み進めた。
家臣の片倉小十郎重長や小姓の只野作十郎と交わした書簡に、浮気を否定するなど深い関係がうかがえる記述がみられた。「政宗の男色は知られているが、社会事情との関係に光をあてた研究はほとんどない」とテーマをしぼり、その時代背景を深掘りした。
男色文化は古くは奈良時代に禁欲を強いられた僧侶にみられ、室町時代には武士の出世や、敵情報入手の手段になるなど軍事的側面があった。そして平和が確立された江戸時代中期以降はタブー視されていったことが分かった。
一方で、政宗のケースでは、主君の死後も片倉や只野が後追い切腹をしていなかった。田中さんは「政宗の男色には対等な信頼関係に基づく友愛的側面があった」と推察し、LGBTQやジェンダーレスをとらえ直す一歩になると結論づけた。
これまで男性にも女性にも恋愛感情を抱いたことがないという田中さん。「いわば中立の立場だからこそ、男色を偏見なく考察できた。発表会では、これまでアブノーマルとも思われていた政宗のありのままを伝えたい」
指導にあたった奥田元彬(もとあき)教諭(25)は「歴史社会学ともいえる斬新な手法に驚いた。タブーにしがちなテーマに正面から挑み、私にも刺激になっている」と話す。(本井宏人)