0001風吹けば名無し
2022/11/02(水) 07:01:00.43ID:pIeZ3+vZ0その作中では当事者が大学生だったこともあり、「本人が向き合っていくしかないこと」と書いたが、現代では特に会社組織などにおいて、SOGI(性的指向・性自認)に関するハラスメント=SOGIハラを予防し取り締まるための法整備が進んでいる。神谷悠一『差別は思いやりでは解決しない ジェンダーやLGBTQから考える』は、そうした枠組みについて解説する本だ。
本書は、著者が受け持つジェンダー・セクシュアリティに関する大学のレポートや企業研修のアンケートに、「思いやり」や「配慮」といったフレーズが頻発することに違和を感じたところから始まる。LGBTQ(またはその他の社会的弱者)には思いやりをもって接する。誰もが一度は口にした心当たりがあるのではないか。「思いやりの何が悪いの」と、反発さえ覚えるかもしれない。
しかし、現実に困難を抱えている人にとって、「思いやり」は往々にして何の解決策にもならない。堅田香緒里は『生きるためのフェミニズム パンとバラと反資本主義』の中で、女性の尊厳(バラ)に関する話ばかりでお金(パン)に関する話をしない人たちを「ネオリベラリズム」と称して非難している。とかく人は様々な問題を精神論で片づけたがるが、そこから脱却していかなるSOGIを持つ人も傷つかないルールを構築するために、本書は必携である。
https://news.yahoo.co.jp/articles/512b49fe45d6e3e04295fbc23caf9f2cee67f2c7