仕事の書類届けで営業時間終了した後のお客様職場にポスト投函するため、最近ハマっている新時代を大ボリュームで流しつつ自身も歌いながら車で片道2車線の大通りを走らせていた

しばらくして通りを横道に逸れ、さいとうなんちゃらって建物をランドマークにその隣には建物が1つしかなくそこが目的地だと思い車をつける

自転車だったか原付きバイクだったか…車を停める前にすれ違った人がいたがその際は気にも留めておらずハッキリ覚えていない
時刻は22時過ぎ、暗がりで外灯の類は一切無く、少し離れた所にあるパチンコ屋の明かりで照らされている以外に視界を確保する物は無かった

車を停め降りると何やら焦げ臭い
周囲をキョロキョロ見たりエンジントラブルかと思って自身の車を確認するも異変は無い

喫煙者のワイでも分かる焦げ臭さだし何もないのはおかしいと思って見上げた
数階建ての雑居ビル2階──そこに入居している音楽教室が目的地だった──が、見上げたワイの目に飛び込んできたのは──窓越しにチラチラと顔をのぞかせる炎だった

動揺した
そして直ぐに通報しなければ、と思い立った
ワイは二次被害を避けるため、建物横付けの車を直ぐに移動させつつスマホを手に取り人生初めての119に電話をかけた