若者の「袋麺離れ」が顕著 メーカーは販売減食い止めに必死


 どうして袋麺は苦戦を強いられているのか。その背景には“若者の袋麺離れ”が顕著になっていることが挙げられる。

「カップ麺はいつでもどこでもお湯を注ぐだけですぐに食べられる簡便性がある一方で、
袋麺はどうしても麺を茹でたり鍋や器を用意したりと調理に時間と手間がかかります。
そのため、特に若い人たちは不便さを感じて、袋麺からカップ麺へのシフトが年々進んでいるのです」(富士経済・東京マーケティング本部主任研究員の木下聡氏)

 最近は袋麺を手軽に食べられるレンジ仕様の「ラーメン調理器」も100円ショップなどで売られているものの、
商品によって出来上がりの味や麺の食感にムラが出てしまう。

 さらに若年層を袋麺から遠ざけている一因が「パック販売」だ。上位ブランドの袋麺は通常5食1パックで売られているが、
「同じ味ばかりでは飽きてしまう」(20代男性)といった不満が多かったのだ。

 袋麺のナンバーワンブランドである「サッポロ一番」を擁するサンヨー食品はこうした声に応え、
定番商品に加えて限定商品の個食販売を実施したところ売り上げ増を記録したが、
「バラで買うとセットに比べて1食当たりの値段が割高なので、やはりカップ麺を選んでしまう」(30代女性)と、
なかなか袋麺のニーズを完全に掴みきれないのが現状。